【ワシントン=大隅隆】オバマ米大統領は15日、シカゴで医療保険改革について演説し「医療保険のコスト(膨張)は米経済の脅威だ。ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーの経営危機は従業員向けの医療保険(コスト増)が主因だった。改革をいま実施しなければ米国がGMと同じ道を歩み破産する」と語った。
オバマ米大統領は、コスト削減を前提とする国民皆保険制度の導入を政権の最重要課題と位置づけている。この日は米国の医療関係団体の年次総会に出席。「(米経済の復活と)繁栄には医療費削減が不可欠」と協力を要請した。
同大統領は米国の医療を巡る現状について「医療費は年2兆ドル(約194兆円)を超す。1人当たりの医療費は2番目に高い国よりもさらに50%高い。にもかかわらず多くの無保険者が存在する」と指摘。経済成長率を上回る医療費の伸びが是正されなければ「10年以内に5ドルの収入のうち1ドルを医療費に使うことになり、30年以内に3ドルのうち1ドルを使うことになる」と警告した。(11:29)