生駒市の新病院設立問題で、市議会市民福祉委員会は16日、市が提案していた新市立病院設置条例案を反対多数で否決した。同条例案は23日の本会議で採決されるが、否決される公算が高まった。委員会には、一部議員から条例改正案が提案されたが、これも否決された。計画が白紙になる可能性もあり、推進してきた山下真市長は議会の対応を批判している。
同市は12年の新病院開設を目指し、3月定例市議会に同条例案を提案。しかし、「赤字が予想される」などと反対意見が根強く、継続審議となっていた。
一部議員が提案した条例改正案は、県医師会長らでつくる病院事業推進委員会が診療内容などを検討するという内容。しかし、他の議員から「今から議論しては時間がかかりすぎる」などと反対意見が出て、最終的に否決された。
新病院は、同市東生駒1の近鉄東生駒駅前駐車場に建設する予定で、県は今年2月、市立病院に210床を配分する方針を発表。年度内にも許可を出す方針を示していた。山下真市長は委員会終了後、「市長就任以来、最重要課題として取り組んで来た。不信任に等しい行為で、市民の願いを無視している」と批判した。【石田奈津子】
毎日新聞 2009年6月17日 地方版