2009年6月 7日

SABEさんのこと

http://natalie.mu/comic/news/show/id/17333
「エッセイマンガ」の「エッセイ」は明らかに余計。
子供の数が実際とちがうし、作者はフィクションのつもりなんだろう。

SABEさんの急逝は色んな意味でショックで混乱しています。

私はもともとSABE漫画のファンで、
それで元妻に気にいられたような側面もあるのです。
串やきP 2 (MFコミックス)

そして一度だけ阿佐ヶ谷の道で偶然、
会ってしまったことがある。
なるべく会いたくなかったのだけれど……。
私と南さんと娘と息子と歩いていたときに。
そのとき、
SABEさんは生まれてまもない私の息子の頭をなで、
実の娘にはあえて話しかけもしなかったと記憶している。
その屈託が今の私にはよくわかる。

エッセイ漫画「ゆらさん日記」は私も愛読していた。
(たしか筆名は「さべちん」名義だったと思う)
「ゆらさん日記」の最終回、
娘のゆらさんは漫画家であるSABEに向かって
無邪気に手を振るのだ。バイバイ、と。

ゆらさんは実のお父さんより、
私のことのほうをもしかしたらよく覚えてるかも。
一緒に過ごした年齢から言って。

しかし私と阿佐ヶ谷南の本屋に行ったとき、
幼いゆらさんが漫画コーナーの一角で立ち止まっていて、
さわっている漫画本がSABEの新作だったときには愕然とした。
絵を覚えていたのかもしれない。

SABEさんと私がゆっくり話をする機会を
南さんは一度つくろうとしたが
(「いまSABEと飲んでるから来ない?」と電話があった)、
私はそれを拒絶した。
お互いそんな立場ではないだろうと思ったからだ。

そもそも私は南さんが離婚したと思って交際を始めたのに、
実際はまだ籍が残っていて、
生まれた息子もSABEさんの子になってしまい、
裁判所で私の息子ということに変えてもらったんです。
(血液型のおかげで、手続きは比較的簡単に済んだ)

ゆらさんが父の死を知るのはいつのことなんだろう。
あんがい、周囲からすぐ伝わってしまうものなのか。

SABEさんの死の原因は知らない。
どんな原因でも、娘に会いたくなかったはずがないと思う。
私は当時「SABEはもう娘には会いたくないんだって」という
南さんの言葉を鵜呑みにしていた。
SABEさんは実際にそう発言したのかもしれないが、
そんなの真っ赤な嘘だと、なんで気づかなかったんだろう。