東京都迷惑防止条例への「つきまとい条項」導入に反対!

 私たちは、東京都迷惑防止条例への「つきまとい条項」導入に反対して、日本基督教団労働組合と争議団連絡会議と「東京都迷惑防止条例改悪に反対する緊急行動」を結成し、2003年9月18日から10月6日までの都議会開会期に合わせて短期間ながら共同声明、都庁前での宣伝活動、都議会各会派への要請などを展開し、9月27日には都庁に向けた集会とデモに取り組みました。
 残念ながら採決されてしまいましたが、今後とも強まる治安強化の動きに対して取り組みを続けていきたいと思います。

 以下は、共同声明と賛同して頂いた団体・個人の一覧です。

[声明]
 2002年6月、労働運動・市民運動をはじめとする広範な反対の声を受け、都議会において全面的に削除された東京都迷惑防止条例「つきまとい行為等の禁止」条項でしたが、警視庁はこの9月からの都議会で再度「つきまとい禁止」条項を修正提出し、2年越しの成立を目論んでいます。
 
9月4日、警視庁は条文案を明らかにし、「つきまとい行為」を、「正当な理由がないのに、もっぱらねたみ、うらみなどの悪意を充足する目的で不安を覚えさせる反復した行為」(第5条の2)と定義し、具体的な行為の中身については「つきまとい、待ち伏せ、立ちふさがり、見張り、押しかけ」「著しく粗野又は乱暴な言動」「連続の電話・FAX」「不快又は嫌悪の情を催させる物の送付」の4項目をあげています。また警察の「被害者援助」規定(第5条の2第2項)が明文化されているほか、罰則として「6ヵ月以下の懲役又は50万円以下の罰金、常習は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」(第8条)となっています。警視庁は、「14府県で同様の条例があるが、取締り対象をかなり絞りこみ、本当に危ない行為だけを規制する」(生安総務課)などとして今回の修正主旨を説明していますが、素案を見る限り、内容は警察権限の肥大化と迅速逮捕・重罰規定による運動つぶし・治安弾圧を本質とする昨年の条例改悪策動と何の違いもありません。
 
 素案では「つきまとい」定義に関する部分のうち「正当な理由」という語句が新たに加わり、あたかも条例の濫用に歯止めがかけられるかのような印象を与えています。しかし「行為の正当性」に対する判断はすべて警察が行うことに変わりはなく、警察によってひとたび「正当でない」と判断された直接的な行為(=つきまとい)は、すべからく取締りの対象とされるのです。「正当な理由」とは運動を分断するための方便に過ぎません。例えば労働運動や争議団闘争・市民運動などの団交要求行動や要請行動・抗議行動、ジャーナリストの取材活動なども、相手方(例えば経営者や自治体)が「迷惑である」と申告さえすれば、警察はその裁量 判断で即座に捜査・逮捕権限を行使できることになります。解雇撤回闘争や反戦運動といった様々な闘いを、追及する姿勢や言葉づかい(!)を捉えて警察はいつでも弾圧が可能になるのです。事実上取締りは無限大です。
 
 東京都・石原都知事は「治安回復こそ最大の福祉」などと称して、現職警察官僚の副知事登用や生活安全条例制定など官民総動員型の治安対策を画段階的に強化しています。保安処分新法や共謀罪新設攻撃、有事立法・イラク支援立法など治安弾圧・戦争立法制定も目白押しです。未曾有の経済不況下、リストラが蔓延し失業率も戦後最悪を更新しつづける中で、警察権力は労働者・民衆の抗議・抵抗・運動をあらゆる形で押さえ込もうと躍起になっているのです。 「つきまとい禁止」条例は多くの自治体に広がりを見せています。私たちは治安弾圧の強化と運動つぶしの一切を許しません。憲法や労働組合法などもないがしろにし労働者・民衆の闘いの圧殺を狙う今回の東京都迷惑防止条例改悪=「つきまとい禁止」条項制定策動に対し、私たちは制定阻止に向けて断固反対します。

《東京都迷惑防止条例改悪に反対する緊急行動》

(連絡先)
日本基督教団労働組合
   新宿区西早稲田2−3−18 03(3207)1273
戦争と治安管理に反対するPINCH!
   港区新橋2−8−16石田ビル4階救援連絡センター気付
                 03(3591)1301
争議団連絡会議
   千代田区三崎町3−10−15富士ビル405出版センター
                 03(3221)1521

共同声明賛同団体・個人
【団体】戦争と治安・管理に反対するPINCH!、日本基督教団労働組合、争議団連絡会議、三多摩労働者法律センター、北部労働者法律センター、地域共闘交流会、北部労働者共同闘争会議、中部地区労働者交流会、西部地区労働者共闘会議、南部地区労働者交流会、三多摩労組・争議団連絡会議、全国専門新聞労働組合協議会、教育社労働組合、日野市遺跡労働組合、ジャパマーハイツ労働組合、全金本山労働組合東京分会、洋書センター労働組合、東京ふじせ企画労働組合、柴田法律事務所労働争議団、郵政マル生粉砕・処分撤回・原職奪還全逓4・28連絡会、品川臨時職員佐久間さん解雇撤回闘争支援共闘会議、スタンダード・ヴァキューム石油自主労組、西部病院不当解雇撤回支援連絡会議、教育社闘争支援連帯会議、日野遺跡労支援共闘会議、ジャパマーハイツ闘争支援共闘会議、全金本山支援共闘東京連絡会議、中央・千代田本山闘争支援会議、洋書センター闘争支援共闘会議、ふじせ闘争支援共闘会議、出版労連山田書院労働組合、山田書院闘争支援連絡会議、専門紙労協機械工業新聞社労働組合、専門紙労協電子経済研究所労働組合、専門紙労協日刊紙業分会、機械工業新聞闘争支援共闘会議、東京中部地域労働者組合、同中央洋書分会、同旭ダイヤ、同エスウントエー対策会議、同酒巻商店対策会議、同一ツ橋電植対策会議、同東邦エンタープライズ分会、中央洋書闘争支援共闘会議、旭ダイヤ闘争支援共闘会議、明治大学生活協同組合労働組合、連帯労働者組合、同杉並、同井荻運送、同コンビニ、同大口製本、同三河島そうじ団、同不二出版、同板橋区パート、同PCCWJ、同大道測量、同武蔵学園、同声の教育社、同渡辺工業、同大地、同富士テレコム、同森川健康堂、同日経野方、三河島闘争支援共闘会議、大道測量闘争支援共闘会議、板橋区幼教指導員の削減に反対する会、加部建材・八尋さんの解雇撤回闘争を共に闘う会、東京南部労働者組合、三多摩合同労働組合、同ケミカルプリント分会、同三信自動車、同西川産業、同藤商会、同中大生協、ケミカルプリント闘争を共に闘う会、中大生協闘争・吉田さんを支える会、多摩あおば病院労働組合、全石油昭和シェル労働組合、郵政による首切り許すな!赤羽局共に闘う会、全関東単一労働組合、同武谷病院分会、同東急分会、同松戸市立病院分会、同トーコロ、同地域分会、労働運動活動者評議会、在日アジア労働者と共に闘う会、日雇全協・山谷争議団/反失業闘争実行委員会、山谷労働者福祉会館活動委員会、渋谷・野宿者の生活と権利をかちとる自由連合、下層労働者連帯ユニオン、ユニオン東京合同、東京労働組合交流センター、東京西部労働組合交流センター、東京中部労働組合交流センター、東京南部労働組合交流センター、東京北部労働組合交流センター、東京東部労働組合交流センター、三多摩労働組合交流センター、京都−滋賀地域合同労働組合、同伏見織物加工支部、全国金属機械労働組合港合同、同昌一金属支部、同田中機械支部、同協和金属支部、同矢賀製作支部、同貝塚運送支部、同大熊鉄工支部、同協和機工支部、同寿鋼管支部、同港高周波支部、同新興刃物支部、同南労会支部、同関西警備保障支部、同ユニオン接点分会、同ONAA分会、同ネグロス電工分会、同アートアド分会、同サンコー分会、同大正物流倉庫分会、同西尾家具工芸社分会、同協和工業分会、同イヅツヤ分会、同北斗会さわ病院分会、おんな労働組合、国鉄臨時雇用員和田さんの解雇を撤回させる会、関西単一労働組合、同黒川乳業分会、同駸々堂書店連帯分会、同教学研究社分会、同県立こども病院分会、同大阪大学分会、北部九州反弾圧争議団労組交流会、北九州自立連帯労働組合、福岡地区合同労働組合、たがわ生協労働組合、福岡県生協労働組合協議会、福岡グリーンコープ自立労働組合、県南生協労働組合、田川印刷センター労働組合、三栄工業の不当解雇を撤回させる労働者の会、北九州がっこうユニオン・うい、刑法改悪阻止・保安処分粉砕全都労働者実行委員会、救援連絡センター、第X期反天皇制運動連絡会、立川自衛隊監視テント村、戦争に反対する中野共同行動、破防法・組対法に反対する共同行動、破防法研究会、破防法に反対する連絡会、反弾圧研究会、「つぶせ!破防法・盗聴法」静岡県連絡会、関東神学ゼミナール、日本基督教団京都教区滋賀地区伝道協議会、建交労東京都本部片山組分会、日本基督教団九州教区伝道センター平和・人権部門、反資本主義行動
【個人】出原昌志(全関東単一労働組合)、てんぐ(書店員)、シライシミチタ(動画演出業)、田中伸一郎(一ツ橋大学学生)、湯浅和代(レイバーネット会員)、花村健一(樹花舎代表・編集者)、中川信明(靖国・天皇制問題情報センター事務局)、平沢剛(映画研究者)、矢部史郎(ACA)、寺尾光身(名古屋工業大学元教員)、安田和人(小倉日明教会牧師)、島耕一(日本基督教団平塚中原教会牧師)、山本ユキコ、佐野通夫(香川県・大学教員)、なすび(山谷労働者福祉会館活動委員会)、田中等(ハンセン病・国家賠償請求訴訟を支援する会)、高橋良平(法政大学学生)、土方美雄、吉川竹明(学習塾講師)、青木裕一、近藤良滋(テーマパーク・プロダクション代表:メディア・プロデューサー)、田中和恵、小宮山至(神奈川県立高校で定時制の教員)、鍬本文子(生野の人権を考える会の代表)、大杉新一(ACA)、竹内宙(日本キリスト教団教師)、岡田良子、栗山次郎、山本志都(弁護士)、茂木遊(戦争に反対する中野共同行動)、西村正治(弁護士)、三輪隆(埼玉大学教員・「市民と憲法学者をむすぶ憲法問題Web」代表)、清水雅彦(和光大学・憲法学)、川西玲子(社会・生活システム研究室)、鈴木敦士(弁護士)、大澤星一(日本基督教団西原教会牧師)、岩井健作(日本基督教団牧師)、富山保信(再審請求人)、星野勉(宮古島伝道所)、谷村徳幸(日本基督教団水口教会牧師)、車田誠治(日本基督教団龍野教会牧師)、鈴木香織(メディアの危機を訴える市民ネットワーク)、林 澤(日本の戦後責任を清算するため行動する北海道の会・共同代表)、大嶋薫(同)、古賀清敬(同)、小林千代美(同左)、榊原隆子(同事務局長)、濱本正彦(同事務局次長)、片桐真(同会員)、佐藤陽治、浅野史生(弁護士)、鈴木達夫(弁護士)、新名知子、星山京子(日本基督教団牧師)、小田原紀雄(同)、辻子実(恵泉バプテスト教会)、津村洋(IEG/コムネット)、長野英子(全国「精神病」者集団)、小林伸子(戦争への道を許さない北・板橋・豊島の女たちの会)、岡健介(日本基督教団佐敷教会)、小田原琳(学生)、友常勉(学生)、石下直子(バンザイ訴訟原告)、岩永達郎(哲学者)、大庭伸介(「つぶせ!破防法・盗聴法」静岡県連絡会)、小田原澪(団体職員)、のびた(戦争と治安・管理に反対するPINCH!)、ぺぺ長谷川(だめ連)、李相勲(在日大韓基督教会牧師)、相蘇道彦(連帯労働者組合)、大谷久(西部地区労働者共闘会議)、石橋新一(北部労働者共同闘争会議)、片山岩一(全関労・執行委員長)、清水真理子(同書記長)、白川節子(同武谷病院分会長)、片岡万里子(反戦・反天皇制労働者ネットワーク)、芝崎眞吾(東水労)、中村利也(指紋カードをなくせ!90年協議会)、柳田真(都労連交流会)、和田弘子(おんな労働組合)、大賀達雄(予防拘禁法を廃案へ!共同行動)、重松朋宏(国立市議会議員/虹と緑)、キー(書店員)、渥美昌純(なんで原宿に大規模留置場?撤回してよ!市民行動)、石埼学(亜細亜大教員・憲法学)、大河内次雄、京極紀子、寿子・井垣(板橋区民)、曽根孝助、星野暁子(星野さんを取り戻そう!全国再審連絡会議)、高山俊吉(弁護士)、山下幸夫(弁護士)
(03年9月24日現在)


 

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