国連(CNN) 国連安全保障理事会は15日夜、グルジアの停戦を監視する国連監視団の延長決議案の採決を行ったが、ロシアが拒否権を行使し、ロシアと西側諸国との溝が明らかになった。
監視団は1993年から活動していたが、ロシアのチュルキン国連大使は、昨年8月にグルジアからの独立を求める南オセチアにグルジア軍が進攻したことで監視団が無効になったと主張し、延長は受け入れられないと述べた。
潘基文国連事務総長は採決後、監視団の任務が16日付で終了すると発表したうえで、上級顧問などと協議したうえで次の対応を決める意向を表明した。また、グルジアのロマイア国連大使は深い遺憾の意を表明し、ロシアの立場は「非建設的」だと批判した。
ロシアは南オセチアとアブハジアの独立を支持してグルジアと対立し、昨年8月に5日間軍事介入した。ロシアが旧ソ連崩壊後初めて外国に侵攻したことを受け、米英仏はグルジア政府支持を表明。欧州連合(EU)は軍事衝突がどのように始まったか調査に乗り出しており、来月には完了する。