トカラ列島(十島村)での皆既日食観測に向け、医療体制を協議する「トカラ皆既日食保健医療支援体制全体会議」が15日、鹿児島市であった。鹿児島大病院や鹿児島赤十字病院などから島々に派遣される医師や関係団体など約50人が参加。熱中症など急患発生時の対応などを確認した。
皆既日食のツアー期間中(7月18~26日)、医師13人と、ボランティア看護師11人を有人7島に派遣する。会議には、島への巡回診療経験のある医師が、島の医療設備について説明。レントゲン設備などはなく「検査が十分にできない」と、課題を指摘した。また、ヘリでの搬送態勢なども確認した。
村から委託されている大手旅行代理店担当者は熱中症対策として「参加者には、スポーツドリンクの粉末を持参したり、日中はあまり動かずに木陰で休むよう呼び掛けている」と報告。さらに、新型インフルエンザや集団食中毒の発生を想定した対応策も協議した。
福満征一郎副村長は「地理的要因から、医療確保は重大な課題。今世紀最大の皆既日食が無事終わるようにお願いする」と呼び掛けた。【川島紘一】
毎日新聞 2009年6月16日 地方版