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Jリーグが開幕して1か月がたった。ここまで、担当するG大阪を中心に、いくつかの試合を見た。「あること」への自分の引きの強さ(?)を感じずにはいられない1か月だった。まさか2回続けて、このテーマについて書くことになろうとは…。
前回のコラムで、今季は質の高いジャッジを期待したいと書いて、わずか1か月…。早くもその期待は裏切られた。まず、3月22日の京都対G大阪戦(西京極)。スルーパスに抜け出した京都FW柳沢。G大阪のGK藤ヶ谷は、柳沢より早くパスに触れ、好セーブした。しかし、村上主審は、藤ヶ谷の柳沢へのファウルと取り、京都にPKを与えた。これが決勝点となり、G大阪は敗れた。
4月4日のG大阪対広島戦(万博)では、G大阪FWルーカスが、濡れたピッチに足を取られ、転倒した。鍋島主審は、ルーカスのマークに着いていた広島MF青山のファウルを取り、G大阪にPKを与えた。5日のC大阪対甲府戦(長居)では、ドリブル突破を仕掛けた日本代表MF香川がペナルティーエリア内で甲府DFダニエルに足を引っかけられ倒された。だが、村上主審(2度目の登場)の笛は鳴らなかった。
これらは、スタンドから見ている私たちも、サポーターも、ピッチでプレーしている選手たちも、判定にクビをかしげたくなったはずだ。審判も人である以上、判定ミスはつきもの。ただ、勝負を左右しかねない場面や、明らかにそれと分かるジャッジミスは、勘弁願いたいものである。
「日本の審判のレベルは低い。年々低くなっていってるかもしれない。このままでは、サポーターがどんどん減っていってしまう」。あるクラブ幹部は、こう指摘する。前回のコラムにも書いたが、現在のJリーグは、審判は絶対不可侵の領域だ。だが、それは「過保護」とも「守られすぎ」とも言える。
試合中に、選手が抗議に出ようものなら、イエローカードをちらつかせ、複数人で抗議を行えば「取り囲み」だと言って罰金の対象とする。もちろん行き過ぎた抗議などには、処分も必要。ただ、選手も人である以上、判定に異議を唱えたくなることだってある。選手のこういうときの「熱さ」が、スタンドで応援するサポーターを熱くさせる一因にもなるはず。プロ野球でも「乱闘(良いこととは言えないが)」で盛り上がることもある。一方的に審判優位で抑え込まれた「熱さ」のないサッカーは楽しいのか。選手たちがベストのパフォーマンスを発揮できるのか。審判を守ることも必要かもしれないが、試合を作る選手たちを守ることも必要だ。
わずか1か月で、明らかなジャッジミスが3回も…。いくらなんでも多すぎやしませんか? 広島戦後に、G大阪の西野朗監督(53)は、こう話していた。「試合というのは、僕らだけのものではなく、サポーターのためのゲームでもある。Jリーグは(2010年までに年間総入場者数1100万人を達成するという)イレブンミリオンプロジェクトを掲げているが、サポーターが見ていて、そう(判定ミスと)思うというのは、そこに結びつかないのではないか」。まさしく、おっしゃる通りである。日本代表の岡田武史監督(52)は、南アフリカW杯でベスト4を目指すと言う。そのためには、代表だけでなく、リーグとしての成長が必要で、ともすれば、審判の成長だって必要な要素のはず。審判にも、世界レベルへの成長を期待したい。
(2009年4月11日11時18分 スポーツ報知)
06年入社。愛知県出身。中日・山井投手は義兄だが、プロ野球担当経験はなし。運動部で昨年まで神戸とC大阪、今年からG大阪担当に。「アンタッチャブルの柴田そっくり」と、いじられながらアジア王者取材に奔走する。