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【風を読む】論説委員長・中静敬一郎 次は迎撃力から抑止力へ

2009.3.31 08:18

 自らの手で自らの国を守る。こんなあたり前のことを北朝鮮が気付かせてくれている。

 来月4日にも「衛星」と称して、長距離弾道ミサイルを発射しようとしていることが持つ覚醒(かくせい)効果だ。 

 国連安保理は2006年、北に弾道ミサイル発射を行わないよう要求する決議を全会一致で採択した。国際社会は北の発射行為を決議違反とみなして自制を求めている。

 だが、この違反により新たな制裁を科すことには常任理事国の中国、ロシアが慎重姿勢であることから、難しい。頼みの綱としてきた米国ですら、北が「安保理で上程すること自体、乱暴な敵対行為」(外務省報道官)とし、その場合、「六カ国協議はなくなる」と指摘したことで、腰がふらついているようにみえる。北との対話に意欲をみせるオバマ政権関係者が、過剰な反応を戒めているとも伝えられている。

 日米韓と中露、さらには日米をそれぞれ分断することで、制裁に行き着かないと北は高をくくっているのだろう。国連が制裁を見送れば、北は衛星と称して、同様な行為を繰り返すことになる。

 列島を越える弾道ミサイルへの日本と他国との受け止めは違う。日本にとってはいつ落下するかもしれない、いや落下を装って日本領土を侵害することも狙っているかもしれない。日本の脅威であることは明白だ。問題は、日本が抑止する力を持っていないことだ。この現実に目を向けなくてはなるまい。国際社会の無力さを慨嘆しても仕方ない。

 日本が「普通の国」なら、ミサイル発射に対し、国民の生命・財産を守るためにあらゆる措置を講じるとの声明を出せる。挑発がいかに高いものにつくかを示すことが抑止につながるからだ。これまでは迎撃力を整備してきた。これからは抑止力を整えることが国防の課題である。

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