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【社会】

前西尾市長、収賄を公判で認める意向

2009年6月12日 夕刊

 愛知県西尾市の汚職事件で、受託収賄罪で起訴された前西尾市長中村晃毅被告(71)の公判前に争点を整理する手続きが12日、名古屋地裁で開かれた。関係者によると、中村被告の弁護側は、公判で受託収賄の罪を全面的に認める意向を示したとみられる。弁護側は協議の後、同地裁に中村被告の保釈を請求した。

 協議は非公開。裁判官と検察官、弁護人とともに中村被告も出席したが、発言の機会はなかったという。今後、さらに争点を絞り込んだ上で、7月中にも初公判が開かれる見通し。

 中村被告は受託収賄の容疑について、捜査段階から「金は借りただけで、返済した」と否認。西尾市議会が辞職勧告や不信任を議決しても、「贈収賄事件に関してまったく潔白」と強気の姿勢を続け、市議会を解散した。

 しかし先月、選挙後の市議会が再び、市長の不信任を議決した。失職した中村被告は一転して金銭の授受など起訴内容を一部認める上申書を作成して保釈を求めたが、同地裁に却下されていた。

◆贈賄の元社長有罪

 愛知県西尾市長の汚職事件で、贈賄罪に問われた人材派遣会社の元社長村田英紀被告(68)に名古屋地裁は12日、「市長の職務に対する信頼を失墜させた刑事責任は重大」として懲役2年執行猶予3年(求刑懲役2年)を言い渡した。村田被告側は控訴しない方針。

 判決理由で佐藤克則裁判官は、村田被告が自分の土地を建築制限が緩い市街化区域に変えてもらうなどの目的で、前市長の中村晃毅被告(71)=受託収賄罪で起訴=に600万円のわいろを渡したと認定。「市長就任前から接待するなど昵懇(じっこん)の関係にあり、公私をわきまえない癒着があった」と批判した。

 わいろについては「具体的な供与は市長側からの要求だったと認められる」と指摘した。

 

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