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100円稼ぐのに812円? 赤バス廃止

2009年06月11日

 赤字が続く市営バスの路線見直しを検討していた大阪市から、全155路線のうち赤バス28と一般17の計45路線を11年度までに廃止する方針を盛り込んだ「市営バス事業の改革プラン」が公表された。高齢者や幼児らを持つ保護者らの利用を見込んできたが、赤字が累積した。職員約200人の削減などの改革も進めて、最終的に単年度赤字73億円(09年度予算ベース)の解消を目指すとしているが、市民からも意見を募集する。

 プランでは、廃止するのは収益性と公共性の低い路線だと位置づけ、(1)100円稼ぐのに何円かかるかを表す「営業係数」が400以上、(2)高齢者が少なく比較的駅に近い地域を走っている、などを具体的な条件に挙げた。

 主な廃止対象は、赤バスでは北区の長柄東〜大淀中(営業係数812)▽鶴見ループ(同760)など全路線。一般路線は、西淀川区の歌島橋バスターミナル〜福町(同592)▽住之江、大正両区の地下鉄住之江公園〜鶴町4丁目(同500)など。

 赤バスの全廃について市幹部は「地域の中を巡回する予定が、地元の要望で駅や大型スーパーなども通るようになり、大半が既存路線と重複してしまった」と話す。採算を「度外視」した拡大の結果、赤バス路線の95%が既存のバスや地下鉄路線と重複した。

 プランでは、事業改革などで年間計76億円の収支改善効果を見込む。路線廃止や重複するルートの見直し(効果額28億円)▽人員削減や営業所の統廃合(同29億円)に加え、地下鉄事業会計と一般会計からの繰り入れを年間19億円見込み、単年度での黒字化を目標としたが、達成時期は明記しなかった。市議会や有識者会議での検討を重ね、10年度末から路線の再編を始める。

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