延岡市が医師不足の解消策として、市内で新たに開業する医師に対して500万円の奨励金などを交付する事業で、このほど第1号の認定開業医が誕生した。16日から、市内大貫町で「大貫診療所」を開業する榎本雄介医師(34)。本人から「補助金交付」の申し込みがあり、市が面接などをして交付を認めた。
診療科目は外科、内科。心臓や血管、呼吸器系、消化器系などの治療を専門とする。宮崎医科大卒(現宮崎大医学部)。佐世保市立総合病院などを経て、宮崎市内の医療法人の勤務医を2年間勤めた。診療所は、閉店中の飲食店を改装。元看護師の妻・小雪さん(33)の実家からも近く、昨年末、市内での開業を決めていた。
榎本医師は「奨励金がもらえるのはありがたい。市の期待の大きさを感じます。それに応えられるよう頑張りたい」と話し、延岡医師会の夜間急病センターでの深夜帯(午後11時~午前7時)勤務の受け入れも前向きに考えたいとしている。
市は「医療機関新規開拓促進事業」の中で、奨励金500万円の交付に対する協力義務として、夜間急病センターでの診療、休日当番医などを求めている。現在、他に3件の問い合わせがあるという。【甲斐喜雄】
毎日新聞 2009年6月13日 地方版