深夜の交通検問を取材した時のこと。警察官からひき逃げ事件の情報提供を呼びかけるチラシを受け取る運転手にカメラを向けていると、ある運転手から「勝手に撮ってええんか」と注意を受けた。
記者腕章をしていたので取材と分かってもらえると思っていたのだが、暗闇の中、腕章は見えにくいうえ、いきなりストロボを向けられたことに運転手たちは戸惑ったに違いない。
プライバシー意識の高まりとともに、了解なしに撮影されることに敏感な人が増えたと実感している。しかし、報道が必要なものに対しては、注意しながら取材していくしかない。検問では、検問前に了解してもらって撮影した。(大森)
毎日新聞 2009年6月13日 地方版