2009.06.09 Web posted at:  17:08  JST Updated - CNN
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先住民と警官隊の衝突から3日、緊張続く ペルー

リマ(CNN) ペルー北部バグア郊外で、先住民と警官隊の衝突により30人余りが死亡、約50人が負傷してから、3日が経過した。8日夜の時点で事態は収集しているものの、国内では緊張状態が続いている。

午後3時から翌朝午前6時までの外出禁止令は解除されていないもよう。先住民と治安当局は双方とも戦闘ではなく対話を希望しており、ベラウンデ外相はCNNに対して対話開始の可能性をにじませた。

先住民側は、エネルギー関連企業などにアマゾンの土地利用を認める政府の措置に抗議し、2500人規模で道路を封鎖していたが、5日に封鎖解除に乗り出した警官隊と衝突した。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは抗議活動参加者30人と警官22人が死亡したとの見解を明らかにしたが、国内メディアは警官22人を含む少なくとも33人が死亡したと伝えた。ただし先住民の権利保護団体は、政府が川や森林に遺体を投棄するなどして先住民の死者を隠ぺいしている可能性を指摘しており100人以上が死亡したとの見方もある。

ベラウンデ外相は、警官隊側の死者数の方が多いとして活動家側の主張を否定するとともに、容疑者70人以上を拘束したと述べた。ただし活動家側は、逮捕者が150人以上で、900人が逃亡状態だとしている。

ペルー当局は、暴動をあおったとして先住民側の指導者アルベルト・ピサンゴ氏の逮捕状を取り、行方を追っていた。しかしシモン首相によると、ピサンゴ氏は亡命を求めて首都リマ市内にあるニカラグア大使館に駆け込んだという。

ユリマグアスとタラポト間の道路封鎖のブロックは、今後2日以内に撤去される見通し。国営アンデス通信によると、ユリマグアス当局者と先住民指導者らは8日、封鎖解除に向けて協議した。

ガルシア大統領は7日の演説で、今年4月初旬から行われている先住民の抗議活動を鎮圧すると明言し、「暴力や脅しには屈しない」と述べた。大統領はまた、外国政府が先住民の蜂起に影響を与えたとの認識を表明。ベラウンデ外相は具体的国名として、先住民の権利拡大を求めるデモの開催歴があるベネズエラやボリビアを挙げた。

専門家らは今回の衝突について、1990年代に左翼ゲリラ「センデロ・ルミノソ」(輝く道)の武装闘争が下火になって以来、最も深刻な暴力沙汰だと懸念。ブッシュ元米政権時代の89─93年に国務次官補を務めたバーナード・アロンソン氏は、暴力がエスカレートする恐れがあると指摘した。

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