アフガンの治安情勢、史上最悪レベルと　米軍司令官

（ＣＮＮ）　米中央軍のペトレイアス司令官は１１日、アフガニスタンで武装勢力の攻撃が０１年のタリバーン政権崩壊以来、最悪のレベルに達していると述べ、今後も厳しい状況が続くとの見方を示した。米シンクタンク、ニュー・アメリカン・セキュリティーの年次会合での演説で語った。

ペトレイアス司令官は「過去２年間で情勢が悪化したことは間違いない」としたうえで、特にここ１週間は武装勢力による攻撃が多発し、「少なくとも旧政権崩壊以来、最悪のレベルとなっている」と述べた。

今後の見通しについては、米軍が武装勢力の潜伏先などに踏み込むことにより、攻撃はさらに激化すると予測。ブッシュ政権下で自ら主導したイラク増派作戦の成果に言及し、アフガンでの作戦もこれにならうべきだとの立場を示した。イラクでは一時期、１日に１６０件の攻撃が発生していたが、昨年の米軍増派で１０―１５件まで減少した。

アフガンでは今年、国際部隊の兵士１３３人が死亡。米兵の死者は、その半分以上にあたる７３人に上っている。

オバマ大統領はアフガン情勢の安定に向け、米兵２万１０００人を増派する計画。駐留米軍のトップには、新たにマクリスタル陸軍中将を起用している。