伊賀市立上野総合市民病院の村山卓院長は11日、伊賀地域の3総合病院で実施している2次救急輪番制について、来年度の存続は難しいとの認識を示した。「来年3月になって『できません』では済まないが、このままでは責任を感じるような事態になると考えている」と述べた。一方、内保博仁市長は「来年度も輪番制を継続できる方向で考えたい」と制度維持に努力する意向を示した。
6月定例議会一般質問で、桃井隆子議員(親和ク)の一般質問に答えた。村山院長は「輪番制は単独病院での対応が無理だから始まった。(制度維持が困難となったら)市単独での救急対応はとうてい不可能だ」と述べ、時間外2次救急での患者受け入れが一部不能となる可能性も視野に対応を検討すべきとの認識も示した。また、医師確保や市民への高次医療提供を目指し、新しい拠点病院を建設すべきとの持論を改めて表明した。
一方、内保市長は「仮定の話は市民に不安を抱かせるだけだ。(軽症の)1次との住み分けを進めるだけで病院の負担は軽減する。市民で2次救急を支えてもらう気持ちになってもらいたい」と答弁した。
内保市長は4日の記者会見で、伊賀、名張両市で組織する医療体制検討委員会を早急に発足させる考えを示していた。【伝田賢史】
〔伊賀版〕
毎日新聞 2009年6月12日 地方版