世界保健機関(WHO)が新型インフルエンザの警戒レベルを最も高い「フェーズ6」に引き上げたのを受け、舛添要一厚生労働相は12日の閣議後会見で、感染者の早期発見に向けたサーベイランス(監視)や患者増加に備えた医療態勢などの強化について、来週中にも対応策をまとめる考えを明らかにした。
舛添氏は国内の感染者が500人を超えている現状について「今後ある程度の感染拡大は避けられない。感染経路を追跡できない状態になった時に、どういう手を取るか考えないといけない」と指摘。専門家の議論を経て、5月22日に公表した医療確保や検疫についての運用指針を見直す方針を示した。
ただし、具体策については「現在の基本的な枠組みを維持する」としており、発熱外来で患者を診察して入院を勧告する発生初期段階の対応は変えない見通し。患者が増えて一般医療機関でも診察する場合の院内感染防止策などを改めて提示するとみられる。サーベイランスについては、季節性も含めたインフルエンザ患者数を報告する医療機関の数を増やすとともに、学校の感染状況を速やかに把握する方策を検討する。【清水健二】
毎日新聞 2009年6月12日 11時39分