長野峻也ブログ

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吉田豪さんはプロだな〜。

 会員さんから貸してもらい、『ゴング格闘技』の吉田豪さんの連載記事を読みました。

 今、武道・格闘技界で話題沸騰?の、『芦原英幸伝 我が父、その魂』についての書評だったんですが、小島一志さんの逆ギレ・ブログについても的確に指摘されていて、「フムフム、流石はプロのもの書きだな〜。小島さんの問題点と矛盾点について見事に洞察して書かれているな〜」と、納得の意見でした。

 是非、同誌の記事を直接読んでいただきたいと思うので、ここには詳細を書きません。

 けれども、「出版に関わる人間として絶対にやってはいけないこと」について、しっかりと指摘されていた点に、まず、我が意を得たりの感銘を受けました。

 この一点を外してしまった人間には、もはや一言一句の自己弁護も認められない。

 その、プロとしての基本中の基本について堂々と指摘されている吉田豪さんは、偉いと思いましたよ。わざわざ指摘してやっても聞く耳がない人間なのは十分に承知の上でしょうから・・・。

 別に吉田さんは武道を嗜んでいる訳でもないでしょう? それなのに、すぐに暴力をちらつかせて脅しをかけてくる小島さんのような“武道ゴロ”を批判するのに文章に何のためらいも無いんですね。

 持って生まれた侠気のある人と、小心者なのを知られたくなくて自分を大きく見せかけたがる人間との圧倒的な差を感じざるを得ません。

 小島さんのブログを読んで感じたのは、「えらく虚勢を張りたがる人だな〜?」という点ですが、そこには自己保身や被害者意識、誇大妄想、優越感と劣等感・・・そうした黒々としたコンプレックスの想念が錯綜していて、それが安易に脅し文句にすり変わってくるから、実に不快なのです。

 だから、一読して、まず第一番目に、「武道家」という言葉の裏にある偽善や卑屈さが臭ってきて、物凄く気恥ずかしくなるんですよね。

 義だ・正義だ・仁義だ・プライドだ・・・そんな美辞麗句を並べたてて強がれば強がるほど、卑屈さ・恐怖心・劣等感・・・そういった小島さんの心の闇が浮かんでくる。

「済みませんでした。許してください」と、たったそれだけの言葉を、何故、言えないのでしょうか?

 はっきり言って、「弱いから」ですよね。弱い人間だから自分の間違いを認められないし、他者を蔑視して批評することで自己崇拝的な虚勢を張り続けるんですよ。

 吉田豪さんは、そういう小島さんのナルチシスト的コンプレックスまで洞察した上で批判を書いていたんじゃないかと思います。

 でも、ある意味、親切心が無いとわざわざ採り上げて書かないでしょうね。

 小島さんの本まではともかく、“あのブログ”を読んだら、大抵の人が「あっ、こいつはマトモじゃないな。さわらぬ神に祟り無しだよな」と、シカトするでしょう。

 ある意味、書評に採り上げて書いたということは、吉田豪さんも、小島さんをもの書きとして評価する面があるから厳しい批判を書いている訳で、小島さんは、感謝して読むべきだと思いますけどね。


 それから、随分前の事件で知らない人が多いと思うので、小島一志さんが福昌堂を辞めるに至ったいきさつ(私が同社で仕事もらっていた頃に関係者複数から聞いた話)を、参考までに簡単に解説しておこうと思います。

 何故なら、この事件は、今回の事件と極めて似ており、ルーツとも言えるからです。

 私が20代半ば頃だったと思うので、20年くらい前だったでしょうか?

 当時、福昌堂の『月刊空手道』の編集長だった小島さんは、伝統派空手道の機関誌から出発している同誌に、フルコンタクト空手の記事を定着させようとしていました。

 その関係で芦原空手の記事も載るようになったのは、小島さんが自身の著作で書いている通りですし、努力もされていたでしょう。伝統派空手道の専門誌でフルコン空手の記事を載せるというのは大変なことだと思いますよ。

 当時は、例外的に東孝師範の技術解説記事とかは載っていましたが、これは福昌堂が極真から独立して大道塾を旗揚げしたばかりの東師範を応援していたからのようです。

 丁度、前田日明とニールセンの異種格闘技試合が切っ掛けになって、格闘技雑誌が次々に創刊された頃、福昌堂からも『月刊フルコンタクトKARATE』が創刊され、その中で東師範の組手理論も注目されていました。

 が、問題は、突如として『月刊空手道』に東孝師範率いる大道塾のバッシング記事が連続して載ったことから始まりました。

 最初は大道塾の試合形式に対する批判でしたが、段々ヒートアップして東師範個人を誹謗するようなドキッとする内容になり、東師範の反論も「品格を損なうから」という理由で掲載せず、一方的なアンチ大道塾キャンペーンになってしまっていました。

 何しろ、私のような一読者が読んでさえ、「いくらなんでも、これじゃあペンの暴力だよな〜」と思うくらい異様な印象を受けましたから、社内ではどうなっているか?と殺伐とした事態になっているのが容易に想像できました。

 そして、いきなり、翌月号で大道塾の特集記事が載り、編集スタッフが総入れ替えになったというスタッフの後書きのコメントがありました。そして、メディアを使って特定個人や団体のネガティブキャンペーンをする間違った正義感について「許されないことだ」という新編集長の意見が述べてありました。

 小島さんが大道塾バッシング記事を連載した理由については、自身の著作でも書いていましたから、関心のある方は読んでみられたらいいでしょう。

 しかし、小島さん本人の話とは全然違う話が東師範から告白されていて、この事実関係については複数の人から事情を聞いてみましたが、「東さんは悪くないよ。小島がおかしい」という意見しか私は聞いていません。

 それによれば、小島さんは「福昌堂から独立して新会社を興して新しい空手道雑誌を創刊するから、その後援をしてくれないか?」と、東師範に内密に打診してきたそうなのです。

 多分、『月刊武道空手』という雑誌を創刊する準備を“福昌堂にいる間から計画して”いて、いろんな師範に協力をお願いして回っていたんじゃないでしょうか?(山田さんも同様のことをやっていますね)

 ところが、東師範は、「世話になった会社に後ろ脚で砂をかけるような真似をしてはいけない」と小島さんを窘めたそうです。武道家として、もっともな態度ですね。

 実際、『月刊空手道』という専門誌の編集長という肩書があるからこそ、小島さんはいろんな空手師範と出会うことができた訳で、在職したまま肩書を利用しながら会社を裏切るような振る舞いを画策しているのでは、人間的に信用されませんよね。

 無論、退社した後で「新しい雑誌を創刊するので後援してもらえませんか」と訪ねていくのなら、理解できるんですよ。

 私も7〜8年前に雑誌を作る計画をたてて動いたことがあったんですが、これは横槍を入れられて潰されてしまいました。

 もっとも、今になって考えると、資金の問題とかクリヤしなければならないハードルがいくつもあって、経営センスの無い私には無理がありましたよね。もの書きに徹した方が気楽ですし、だから、横槍を入れてくれた人には、今では感謝してますよ。人間、自分に適性のない仕事をやってもうまくいかないものですからね。

 東師範も、小島さんに敢えて厳しく叱ることで反省して欲しいと考えられたらしいんですね。

 ところが、小島さんは自分を否定され信じていた人に裏切られたと手前勝手に解釈し、常軌を逸した大道塾バッシング記事を月刊空手道誌上で書くという“卑劣な報復”を始めたという訳です。

 つまり、小島さんは、“正義感ぶって理屈を並べる根底に、自分のやましさをごまかして仮想敵を設定して攻撃する”という、実に問題行動を繰り返す悪癖があったという次第なんですよ。

 自分を正当化するために相手を一方的に悪者に仕立てあげようとする実に姑息かつ卑劣なやり方で、到底、武道を嗜む男がやることじゃありませんが、要は、それだけ心が弱い人だから、エキセントリックに独善に走るんでしょう。

 武術・武道の世界には、似たようなタイプの人は少なからずいますし、私自身も「自分は違う」と言い切れない部分はありますけれど、小島さんほど悪質な人は、ちょっと珍しいと思いますね。自分が“正しい”と思い込んでいるから、始末におえないんです。

 まあ、かつての福昌堂での事件についていろんな人から話を聞いていたので、今回の小島さんのブログを読んで、またもやらかしてしまったか?と、本当にガッカリしたんですけれども・・・。

 どれだけ相手を誹謗中傷したところで、自身の間違いは消えてなくなる訳じゃないんですから、「いい加減にテメーが悪いんだから、自覚しろよ」って思って、批判意見を書かずにおれなくなったんです。

 自分を客観視して嘘を書かないことを基本として要求されるべきジャーナリズムには、最も向かない性格と言わざるを得ませんね。

 私が、何回かにわたって、小島一志さんを糾弾する意見を書いてきた理由が、この「月刊空手道大道塾バッシング事件」の真相にあった訳ですが、私は、「芦原英幸伝絶版事件?」に関して、小島さんが過去の自身の不徳を本心から認めて謝罪することを期待していたんですが、とことん自己欺瞞に徹してしまった様子から、やるせない気分に陥っていました。

 それでも、吉田豪さんのような良識のあるプロ・ライターの方が、きちんとした正論で小島さんの論理矛盾を指摘してくれたことに、少なからず、ほっとさせられました。

 小島さんは自分がプロだという意識が強過ぎて、部外者の意見には耳を貸さないでしょう。が、吉田さんのような売れっ子の意見なら少しは考えるかも知れません(多分、ムリだと思うけど)。

 けれども、私のような三流もの書きごときの拙論を支持してくださる方が多数いらしたことには、心から感謝しています。でも、同様に考えていた人が大勢いらしたということなんでしょうね。

 仮に、このまま小島さんが一切反省しないままだったとしても、「おかしいことはおかしい」と言える状況が広がって、武術・武道・格闘技の世界が多少なりとも風通しが良くなってくれればいいな〜と願っています。

 小島一志さんには、これ以上、ノンフィクションに関わって人様に迷惑かけるのはやめて、フィクションの作家として面白い作品を書いていかれることを祈ります。それが適材適所でしょう・・・。

 自己主張するのなら、人に迷惑かけないで自分の責任の及ぶ範囲でやることが肝心ですよ。
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