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阪大微研、香川にパンデミック対応のワクチン製造拠点

2009年6月9日7時11分

 ワクチンメーカーの財団法人阪大微生物病研究会(大阪府吹田市、東雍(ひがし・やすし)理事長)は8日、高病原性の新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)に対応するため、ワクチンを大量生産する国内拠点を香川県観音寺市に建設すると発表した。13年に運用を開始する予定。全国民の半分が接種できるだけのワクチンを半年間で製造できる即応態勢を目指す。

 同研究会は国内に四つあるインフルエンザワクチン・メーカーの一つ。インフルエンザワクチンはこれまで、有精卵でウイルスを培養するため、準備に1年間かかった。同研究会では1シーズンで500万人分が限界だった。

 今回は、有精卵を使わずに犬の腎臓細胞で大量にワクチンを作る「細胞培養法」を採用。半年間で6千万人分製造できる。欧州ではすでに数社が承認を得て製造している。

 国は09年度の補正予算案編成の際に、高病原性の鳥インフルエンザの国内流行に備え全国民がワクチンを接種できる態勢をできるだけ早く整えるとする方針を示しており、同研究会がこれに応えた。

 新設されるのは「観音寺研究所瀬戸センター」で現在の観音寺研究所と約2キロ離れた場所につくる。約16万平方メートルの敷地に、総事業費約350億円で、研究棟、製造棟など10棟を建設する予定。

 同研究会では当面、同センター稼働後も季節性インフルエンザ用ワクチンは従来の有精卵で製造する方針という。

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