定年退職後に非常勤教員として採用しないのは裁量を逸脱しているとして、東京都立三鷹高校の元校長、土肥信雄氏(60)が4日、都を相手取り約1850万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。土肥元校長は現役当時、職員会議で教員の挙手による採決を禁じた都教委の通知に対し、撤回を求め続けていた。
会見した土肥氏は「意見を表明したことに対する弾圧だ。これで教育委員会と公の場で論争ができる」と話した。訴状によると、土肥氏は三鷹高校長だった07年10月、都教委に対し職員会議での挙手・採決を禁止する通知は「教育現場から民主主義的な議論を奪う」として撤回を要求。08年12月に定年後の非常勤教員選考に応募したが、不合格となった。【林哲平】
毎日新聞 2009年6月5日 東京朝刊