岡山済生会総合病院(北区伊福町)で07年9月、組織検査で他人の検体と取り違えたため乳がんと誤診され、手術で左乳房を切除された県内の40代女性が、同病院を相手取り慰謝料など計4400万円の賠償を求めて岡山地裁に提訴していたことが8日、分かった。
5月12日付訴状などによると、女性は07年7月、乳がん検診を受診。翌8月に組織検査とMRI検査で乳がんと診断され、医師から手術内容の説明を受けた。9月12日に左乳房を切除したが、術後の病理検査で乳がんではなく、本来は手術の必要がない乳腺症だったことが判明した。
原告側は「組織検査の際、他人の検体と取り違えにより、誤った病理検査がなされた。切除により、後遺症も残った」などと訴えている。
病院側の代理人弁護士は「女性と話し合いを重ね、術後の医療費を無償にするなど誠意をもって対応してきた。突然の提訴であり、請求額は病院側の謝罪や対応に対して過剰だ」としている。【坂根真理】
毎日新聞 2009年6月9日 地方版