今秋開院の北秋田市民病院について北秋田市は8日、議会全員協議会で、病院の指定管理者である県厚生連に対して従来の方針を転換し、市側が赤字を補てんするなどの考えを示した。議会側は「これまでの市方針と全く違う」として反発。開院を来春以降に見直すべきだとの意見が出された。
津谷永光市長は方針転換の理由を「半年後にオープンとなるが、いまだ必要医師確保に至っていない。市民が地元で医療を受けられるよう考慮し、指定管理者への方針を変えたい」と説明。これまでの「補てんはしない」から「年度協定書で不足額が生じた場合は追加する」とし、さらに開院後2年間は、年間約3億5000万円の赤字となるとの経営見通しも示した。
また、前市長が任期中に目指した県厚生連との病院管理基本協定締結は「現在、協議中」と答えた。
これに対し、議会側は「市側からの財源持ち出しが多過ぎる。今秋オープンにこだわらず来春以降でもいい」と意見が出たが、津谷市長は「10月オープンで進めており、医師確保は全身全霊であたる」と理解を求めた。
同病院は、当初計画の医師数は31人だったが、オープン時は医師19人(常勤医15人、非常勤医4人)でスタートすることが決まっている。【村川幸夫】
毎日新聞 2009年6月9日 地方版