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「人の役に立ちたい」夢絶たれた3人 交差点事故1週間

2009年6月8日22時23分

 横浜市都筑区の交差点で1日夜、車の衝突事故に巻き込まれて看護師3人が死亡した事故から8日で1週間になる。「人の役に立ちたい」と看護師になり、仕事に打ち込んでいた3人。現場の献花台には友人や患者らが連日訪れている。

 亡くなったのは、生駒ひろみさん(31)=横浜市都筑区=、加藤智子さん(43)=同=、岩山典子さん(49)=東京都品川区。3人は事故現場近くの昭和大学横浜市北部病院の5階で働いていた。

 生駒さんは残業して、加藤さんと看護学生の指導計画書を作っていた。仕事を終え、後から加わった岩山さんと一緒に最寄り駅に向かっている途中に、事故に遭った。

 生駒さんは看護師という仕事に誇りを持ち、中学、高校時代の同級生に、「やりがいがある」と会う度に話をしていたという。「人の役に立ちたい」と看護師を志し、事故で搬送される救急患者の処置を手伝うこともあった。「その彼女がこんな事故で亡くなったのは本当に悔しい」。同級生の女性は話した。

 加藤さんも「献身的な世話をしてくれる」と患者から評判だった。

 岩山さんは師長として看護師をまとめていた。入院患者の床ずれについて、院内の委員会で医師や同僚に改善策を訴えたこともあったという。

 「がんちゃん」。看護師になる前、テニスコーチをしていた岩山さんはみんなからそう呼ばれていた。「頼りになる人だった」。テニス仲間の男性(47)は振り返る。岩山さんは高齢の母親と2人暮らしで介護をしていた。男性は「残されたお母さんが心配です」。

    ◇

 自動車運転過失致死傷容疑で送検された男子学生(18)=川崎市宮前区=は神奈川県警都筑署に、当初は「信号をよく見ていなかった」と話していたが、その後、「交差点手前では黄色信号だった」と供述を変えたという。だが、同署は目撃証言などから、信号無視が原因だった疑いもあるとみて捜査を進めている。

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