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ODAで買うクジラ票(下)疑惑まみれ水産ODA

      国益見失い友好国失って、業界だけ儲けさす異常行政

 前回記事: ODAで買うクジラ票(上)非捕鯨国をご接待

 あの西松建設も!? 水産ODAの本当の「受益者」たち
 
 海外水産コンサルタンツ協会(OFCA)という社団法人がある。水産ODAを受注するコンサル、ゼネコン、商社、その他機材メーカーなどで作る関連業界団体である。会長の森川貫氏他役員1名が水産庁OB。協会に加盟している企業の役員6名も理事に加わっている。OFCAの活動内容には、水産庁からの補助金による調査事業のほか、捕鯨に関する勉強会なども含まれている。
 ・OFCAのホームページ

 財団法人海外漁業協力財団(OFCF)も長年水産ODAの橋渡しをしてきた外郭団体であり、農水省による補助や委託を受けて各種の調査事業などを行っている。事業の中には資金の貸付業務も含まれ、調査捕鯨の実施主体である日本鯨類研究所に対し21億円の無利子融資を供与している。同団体へも4人の元官僚が天下っている(うち1人はOFCA理事と兼任)。
 ・OFCFのホームページ

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 上の表は、1998−2008年の11年間に水産ODA事業を受注した企業の一覧である。水色で着色したのはOFCAの会員企業である。薄い水色は、OFCAが農水省から得た補助金で行っている海外漁業開発のための調査・派遣事業に、会員企業と共に参加している企業である。
 ・調達状況(外務省ODAホームページ)

 ここには、小沢民主党代表を辞任に追い込んだ献金問題の西松建設や、ベトナムODA汚職で役員が逮捕されたパシフィック・コンサルタンツ・インターナショナルも含まれている。西松建設はこの3月から3ヶ月間、不正行為を理由にJICAから指名停止処分を受けている。西松建設のほかにも、2006年の防衛施設庁談合事件で営業停止等の処分を受けた多くのゼネコンがOFCAの会員となり、水産ODA事業を手がけている。また、遠洋捕鯨3大手の一角を占めていた極洋の名もある。

 調達の透明性には重大な疑問が

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 上の表は、外務省の調達状況の2005−08年度の水産ODA案件の入札結果を一覧にしたものである。OFCA会員企業(水色の部分)が応札した12社中9社を占めている。

 1回の入札に応じる企業は平均1.7社しかない。2002年の会計検査院報告によれば、無償援助全体の平均入札参加者数は2.5社。また、2007年の同報告の技術協力(国内調達)の平均入札参加者数は3.8社である。それらの数字と比べ、ずいぶん参加者が少ない。

 それにしても、応札価格の的中ぶりは見事という他はない。4年間の平均落札率は98.2%、最近の2年間に限れば平均99.0%である。各企業の契約担当者の方々は、きっと車庫入れが極めて得意に違いない。国内の自治体などでの一般的な物品調達や公共工事の入札だったら、落札価格が予定価格の9割を超えるというだけでも「談合」が疑われて首を捻るところだ。

 会計検査院の2002年の報告では、無償援助全体で見た場合、落札率98%以上の件数は65%となっている。だが、水産ODAに限ってみれば、4年間16件の入札件数のうち落札率98%以上が全体の87.5%をも占め、98%未満は2件しかない。水産ODAは、他のODA案件と比べ、たださえ入札参加者が少ないのに加え、異常に落札率が高い。透明性も競争性もなく、非常に「特殊な」ODAだ。

 所轄官庁の天下りOBが業界団体の役員を務め、調査・設計を引き受け、事実上価格決定権を握るコンサルと、事業本体を受注する建設企業の多くがその会員となっている。発注元と受注先とが情報を共有する構造、と見る他にない。公募案件といっても形だけの「儀式的入札」で、各業者に仕事が割り振られていく出来レースと傍目に映るのも、仕方があるまい。
 ・政府開発援助の無償資金協力及び技術協力における契約入札手続等について(会計検査院平成19年度決算検査報告=.pdfファイル)

 もうひとつの捕鯨援助──OFCFの水産技術協力

 水産ODAは金額が大きくて目につきやすいが、国民の目になかなか見えにくいのは、もう1つの無償援助である水産分野の技術協力である。他の技術協力はJICAが調達しているが、水産分野だけは、上述した水産庁の天下り団体OFCFが仕切る。先に挙げた会計検査院の検査報告では、OFCFの調達には競争性・透明性に関してJICAとは比べ物にならないほど問題が多々あることが指摘されている。

 まず、JICAの技術協力は現地調達が8割に上るのに対し、OFCFの技術協力は167件のうちの101件が国内調達で、金額で見ると85%が国内である。受注先の多くはOFCAの会員企業であろう。また、契約方式は大半が随意契約で、随契の場合は予定価格の設定や積算資料、見積書まですべて省略できるとし、「証拠」が一切残らない。

 OFCFによれば、商習慣など調達する環境が違うとか、駐在員しかいないから入札会が実施できないとか、緊急を要するとかの理由で、「信頼できる業者」に頼らざるを得ないのだという。これでは、何のために金額の上限に基づく規定を定めた財団の会計規程があるのかさっぱりわからない。

 落札率は、1件だけの施設は92%、資機材の調達は5年平均で89%だが、年々上がって、2007年では95.95%である。一方、JICAの方は、資機材の国内調達が84%、現地調達が90%である。これについてOFCF側は、「納入先が島なので不便で金がかかるから業者の人気がない」といった理由を掲げている。本当に予算が減り透明性・競争性の確保に支障を出ているのなら、それこそ調達業務はJICAに統合すべきだろう。

 薬にならないお手盛り事業評価

 ODA事業の評価はJICAが実施しているが、最も肝心な第3者による事後評価は残念ながら件数が少ない。カリコムと大洋州の捕鯨支持国では技術協力プロジェクトも含め1件もない。水産ODAで事後評価報告が上がっているのは、IWCに加盟していないザンビアに対するもののみである。

 内容を見ると、5.3億円をかけた養殖場拡充計画で、1996年に実施されたものだが、予算やスタッフが大幅に削減され、94年に74万尾だった種苗生産数は2001年に5万400尾に激減、養殖普及という所期の目標達成には至っていない。他の水産ODA案件に対しても懸念を覚えるが、少なくともJICAの事業評価報告は外部専門家による厳しい検証の体をなしてはいる。
 ・案件別事後評価要約表(JICA)

 対照的なのがOFCFの事業評価である。評価を行っているのは有識者とのことだが、主に日本の水産学者である。国内で捕鯨支持オピニオン普及に努めた人物たちの名もある。

 2005年度以降で事後評価があるのは、捕鯨支持国のタンザニア、ガボン、セネガルだが、トップに会って一緒に写真を撮り、事業の効果を絶賛する内容になっている。第三者の目から問題点を検証する姿勢はほとんど見受けられない。これでは健全な事業評価とは到底言いがたい。さらに、プロジェクトとは何の関係もないIWCと当事国との関連に必ず言及している。
 ・有識者評価委員会 評価報告書(OFCF)

 2007年度の会計検査院の報告の中にも、各省庁所管のODAの援助効果に関する記述がある。そこには、OFCFの技術協力に関して次のように記されている。OFCF自身の自画自賛評価とはだいぶ食い違う所見が示されている。

 「(専門家派遣)事業終了後、事業の一部が自立的に発展していなかったりする事態が見受けられる」「供与した資機材が、供与後に十分利用されていなかったり、故障していたりなどしている事態が見受けられた」(1,031ページ)
 ・平成19年度決算検査報告 文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省及び国土交通省に関する政府開発援助につき、技術協力の実施状況及び技術協力に係る援助の効果について(会計検査院)

 ODA庁費は一体どこへ消えた?

 ・第170回国会 決算委員会 第2号 平成20年11月17日
 ・平成19年度決算検査報告 省庁別の検査結果:農水省「」(会計検査院)

 上掲のリンクは、民主党の牧山ひろえ参議院議員が昨年11月に決算委員会で質問した内容である。それによると、会計検査院の調査で「ODA庁費がODAとは関係ない仕事に使われた」との指摘を受けた対象として、農水省から名前を挙げられたのが、上で取り上げたOFCAである。

 会計検査院のODAに関する検査結果報告の1,026ページを見ると、OFCAは、「補助事業に要する経費を適切に算定していなかった」「各事業に係る人件費を実績に基づいて算定していなかった」と2度も名指しの指摘を受けている。購入物品の細目や販売元について、牧山議員は再三に渡って農水省に問い合わせたものの、暖簾に腕押しで農水省側はまともな回答をしていない。

 また、同じく省庁別結果の437ページを見ると、「補助の対象とならない賞与、住宅手当等を事業費に含めるなどしていた」とあり、不当と認める事業費は483万円に及ぶ。

 会計検査院から「不適切」指摘を受けた対象には、農水省本省の国際局と農村振興局も含まれている。ODA庁費の使途として「自動車借上料」(タクシー代)がある。農村振興局でODAを担当する職員は12人しかいないのに、局内474人全員分のタクシー代を請求していた。しかも、タクシー利用者名や利用時間の情報は一切公開していない。

 追及した議員や国民の皆さんは、ODA庁費がODAとまったく無関係な業務に関する備品やタクシー代に使い回されたり、あるいはマッサージ機の購入代金や飲み代として消えたのではないかと疑いを持ち、公務員の非常識な倫理感覚を嘆かれるかもしれない。だが、筆者は別の疑念を抱いている。ODA庁費として請求され、不透明な会計処理によってプールされた裏金は、実はODA関連でありながら大っぴらにできない用途に用いられていたのではないか──と。

 貧しい開発途上国である多くの捕鯨支持国に代わり、日本政府がIWCの加盟分担金や年次総会参加者の渡航費用などを肩代わりしている事実については、前回(上)で取り上げたとおりである。日本政府は、それらの経費を一体どこから、どうやって捻出したのであろうか?

 ひとつはっきりしているのは、出所が農水省・水産庁(不透明な経理処理でプールされたODA庁費等)であれ外郭団体(技術協力における不透明な随契調達等)であれ、元はといえば日本国民の税金から支払われているということだ。

 農水省からの出向官僚がかき回すODA外交

 次のリンクは、総務省の発表した2008年の省庁間人事交流の状況である。
 ・府省間人事交流の状況(府省別)

 表を見ると、農水省からの出向者は298人で、国交省に次いで多い。一方、外務省は受け入れ者数が467人と、内閣府を100人以上引き離してトップである。霞ヶ関の人事交流は、官民人事交流同様、そもそも縄張りにこだわる縦割り行政への批判に応え、省庁間の壁を取り払う趣旨で採り入れられた。しかし、若い官僚に専門外のキャリアを積ませることより、完全に省益重視で行われているのが、農水省から外務省のIWC/ODA関連部署への出向人事である。

 日本外交にとって最も重要な、同盟国を含む先進各国を敵視する姿勢を前面に打ち出し、尻拭いだけ外務省に押し付ける自省本位の出向者によるお荷物セクション。そんなものを抱えることが、はたして「緊密な連携の強化」といえるのだろうか? 

 ODAは水産以外にも産業・科学・文化・教育・環境など多くの分野にまたがっている。外務省はそれらを所掌する各省庁からの要請を受けて調整を担う立場にある。水産庁の捕鯨セクションばかりに特権を与え続ける外務省を見て、不公平な差別を受けている他の省庁はきっと苦々しく思っていることだろう。

 09年1月に発行された雑誌『WEDGE』2月号に、谷口智彦慶大特別招聘教授の論説記事「メディアが伝えぬ日本捕鯨の内幕 税を投じて友人なくす」が掲載された。谷口氏は日本側の主張に理解を示しつつも、視野狭窄に陥った国内の非妥協的な強硬論に対して、次のように警鐘を鳴らしている。
 
 「問われているのは、国益の軽重をどう考え、得失の均衡をどこに求めるかだ。勝ち目のない戦いに固執し、必要以上の規模で友人を失うことに、筆者は国益はないと考える。(中略)捕鯨に託した日本の国益とは、経済面を見る限り既にあまりに小さい。これが議論の出発点に来るべき認識である。」

 日本の鯨肉市場の規模はおよそ70億円、同程度の年商を上げる企業は1万社は下らない。海面漁業生産高の1%に満たず、GDPと比較すれば0.002%もない。しかも、調査捕鯨の実施主体である日本鯨類研究所は、昨年度合わせて12億円にまで補助金を増額されたにもかかわらず、8億円弱の経常赤字を出している。唯一旨味を得ているのは、天下り元の水産庁と結託し、国益を盾に言い値で仕事を受注し続けられる水産ODA関連業界のみであろう。

 プロの外交官は、大局的判断を下す能力が問われるはずである。長期的視野に立った国際協調の重要性をしっかりと認識し、外交上の得失を見誤らない的確な判断を下せるのは、畑違いの他省からの出向者ではなく、外務省自身のはずである。ODAは、各分野・対象国への配分の公平性・公正性と総合的な「広義国益」の観点から見たプライオリティ付けをきっちりと行い、適切に運用されるべきである。特定の1業界の目的のために、国民から託された税金が異常に偏った形で流用されるのを、黙って見過ごしてはならない。白書やデータブックの執筆陣からも外した方がいい。

(完)


【参考サイト】前回記事(上)の捕鯨援助の特徴について、さらに詳細を知りたい方は、以下のリンク先でグラフや表を用いて説明している。水産ODA(水産無償資金協力)の詳細な説明やその運用の歴史についても解説している。
 捕鯨推進は日本の外交プライオリティbP!?──IWC票買い援助外交、その驚愕の実態
 (1)水産ODA──アナクロな札束外交の象徴
 (2)捕鯨支持国とそれ以外の国との間で見られる顕著な援助格差
 (3)日本に捕鯨支持という踏絵≠踏まされる開発途上国
 (4)捕鯨援助で本当に利益を得ているのは誰か
 (5)補足:各捕鯨支持国の解説
◇ ◇ ◇

ご意見板

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[46346] 他記事のコメント欄が閲覧不能です・・・
名前:中村透
日時:2009/06/08 23:29
あらら、現在↓のカメクジラネコ様が書かれた記事、

産経「鯨肉生産は牛肉よりエコ」はデマだった
http://www.news.janjan.jp/living/0906/0906010416/1.php

のコメント欄が表示されないようになってしまってますが、

一体どうした事でしょうか?

記者様や反捕鯨陣営様にはかなり不都合な書き込みをしました

ので削除される可能性が高いと思い、一応全書き込み分の魚拓

を取得しておりましたので御披露目を・・・

http://s03.megalodon.jp/2009-0606-2329-17/www.news.janjan.jp/living/0906/0906010416/1.php

http://s01.megalodon.jp/2009-0606-2359-42/www.news.janjan.jp/living/0906/0906010416/1.php

http://s03.megalodon.jp/2009-0607-1134-54/www.news.janjan.jp/living/0906/0906010416/1.php

http://s03.megalodon.jp/2009-0607-1745-58/www.news.janjan.jp/living/0906/0906010416/1.php

http://s04.megalodon.jp/2009-0607-1924-03/www.news.janjan.jp/living/0906/0906010416/1.php

http://s01.megalodon.jp/2009-0608-0726-36/www.news.janjan.jp/living/0906/0906010416/1.php

http://s04.megalodon.jp/2009-0608-0814-21/www.news.janjan.jp/living/0807/0807090629/1.php

http://s03.megalodon.jp/2009-0608-0953-37/www.news.janjan.jp/living/0906/0906010416/1.php?action=table&msg_article=114417

http://s04.megalodon.jp/2009-0608-1218-44/www.news.janjan.jp/living/0906/0906010416/1.php

この状況が単に私の早合点ならば良いのですが・・・

カメクジラネコ氏の反捕鯨記事には多くの嘘と誤魔化しが

含まれてますので、マダマダ沢山指摘するべき事があります。

ですので、なるべく早い復旧を願いますね?

(この画面も勿論魚拓取得しておきますので)。

[返信する]
[45900] 記事に反論できないからといって論点をずらすナンセンスな投稿はおやめください
名前:カメクジラネコ
日時:2009/05/22 02:16
>伊藤学さん
[45897]で回答済みです。鈴木さんのコメントも当記事とは何の関係もないうえにソースのない憶測にすぎませんが。

[返信する]
[45899] 記事の内容を読まずに早とちりのコメントを書くのはおやめください
名前:カメクジラネコ
日時:2009/05/22 02:12
>伊藤学さん
>そのようなコメントはした記憶がありません
[45836]の5行目です。コメントとは私は書いておりませんが。
>(反論がある場合は具体的なソースを提示の上そうされたい)
こちらにしっかりと書いてあります。
「ODAで買うクジラ票(上)非捕鯨国をご接待」
http://www.news.janjan.jp/government/0905/0905140329/1.php
詳細版は(下)のリンク先をご参照ください。
>「水産庁の人間が外務省への出向者を通じて水産ODAを差配し、反捕鯨国をてなずけている」
記事のどこにそのような記述があるのでしょうか?
>テレビ局に例えるなら・・
番組の「方針」を決めるカメラさんや照明さんがどこにいるのでしょうか?
いずれにしても、あなたのコメントは当記事の主題である「外務省と会計検査院の公開資料により明らかになった捕鯨支持国と他の国とのあからさまな援助格差と天下りOBの業界団体傘下企業による調達の不透明性」とはまったく噛み合っておりません。
「コメントする必要もない」「いちいちケチをつけてもしょうがない」などと言いながら拙速な投稿を繰り返す貴殿の非合理性は本当に理解に苦しみますが、根拠薄弱どころか根拠ゼロのご質問には回答のしようもありません。
内容を読みもしないであまりに稚拙で脈絡のない投稿をするのは「ご勘弁」ください。私もさすがにそこまでヒマではないので・・。貴殿が一体何故にこれほど強固な粘着質の関心を抱いているのかも図りかねますが(どうでもいいことではありますけど・・)、もう一度記事とリンク先をすべて一字一句読み直し咀嚼されることをオススメします。
[返信する]
[45898] 反論できないからといって論点をずらすのはナンセンスですよ
名前:伊藤学
日時:2009/05/22 01:59
念のため確認ですが、

私の書いた

>で、筆者が書かれた「農水省からの出向官僚がかき回すODA外交」との節が一体どのような根拠に基づいて書かれたものか非常に興味深いですね。


とのコメントに対する反論が詰まったからといって、以下のように論点を変えるのは止めるべきです。十分取材していないなら真摯に反省し、余計なことを書くべきではありません。


>この記事の肝心の部分とは、外務省と会計検査院の公開データ・数字にきちんと裏づけされた「捕鯨援助の顕著な格差と調達の不透明性」です。あなたには記事の本題が目に入らないのか、関心がないのかわかりませんが、他の読者の皆さんにはきちんとメッセージが伝わったことでしょう。

「ODAで買うクジラ票(上)非捕鯨国をご接待」の鈴木さんのコメント([45893])が的を得ていると思います。反論があれば、(上)(下)どちらの板にでも結構ですから、反論をお書き下さい。期待しております(笑)。

[返信する]
[45896] 早とちりはやめた方がいい。記事を執筆するには丁寧な取材が必要では。
名前:伊藤学
日時:2009/05/22 01:44
カメさん

>ソースの表を見て、76人の幹部を出向させている農水省から70人の幹部を受け入れている外務省への出向のみゼロだとの極めて不自然な受け止め方をする

そのようなコメントはした記憶がありません。

因みに本屋等で調査した範囲において、農林水産省から外務省への(過去を含む)出向ポストのうち、幹部職員(カメクジラネコさんが示したソースでいう本府省企画官級以上の職員)を以下に列挙しておきましょう。出典:農林水産省名鑑

(1)外務本省 地球環境課長(国際協力局の参事官以上の幹部及び同局課長のうち、ODAに密接な関係ある課長に農林水産省採用職員がいないことは、前のコメントに既に述べたとおり)
(2)在外公館 在英参事官、在伊参事官、在OECD代表部参事官、在EU代表部参事官、在米参事官、在中参事官、在韓参事官、在ロ参事官、在ジンバブエ参事官、在ザンビア参事官

因みにジンバブエもザンビアもIWCに入っていないようですし、他国はODAの供与国でない場合が太宗ので、カメクジラネコさんの「水産庁の人間が外務省への出向者を通じて水産ODAを差配し、反捕鯨国をてなずけている」という主張は、憶測に過ぎない、はっきり言えば出鱈目であるというのが、誰の目にも客観的に分かると思います。(反論がある場合は具体的なソースを提示の上そうされたい)

大体、外務省の仕事はODAだけでないし、農林水産省所管事務のうち国際関係事務は捕鯨問題に限らず、食の安全問題、農水産物の貿易問題、動植物検疫問題、地球環境問題(森林によるCO2吸収)と多岐にわたっているわけで、「76人の幹部を出向させている農水省から70人の幹部を受け入れている外務省への出向」が「ゼロではない」ことだけをもって、カメクジラネコさんが言うような主張をするのはあまりにも短絡的です。JANJANの記事のクオリティの低さが読者離れを加速している、と言われても仕方がないかと思います。また、JANJANは根拠薄弱な主張を勝手に行って良いという類のメディアでは決してないと思います。編集部はもっとしっかり査読をした方がいいと思いますよ。

>「予算は外務省、最終決定と執行はJICA、方針と実施の裏方は水産庁」

テレビ局に例えるなら、「裏方」という概念は、キャスティングや予算を事実的に差配するPから、カメラさん、照明さん、衣装さん、弁当の手配まで行うADまで、関与の仕方は極めて多岐にわたるわけです。カメさんが引用した発言だけでは、水産ODAにおける水産庁の役割は何なのか、直ちに確定できませんし、カメさんのような結論の仕方は極めて拙速としかいいようがありません。なお、水産ODAを実施する上での技術的な検討や指導については、紛れもなく「影で協力する裏方」として水産庁の職員や水産業・建設業にかかわる人間が、外務本省やJICAの要請・委託により協力しているのは紛れもない事実ですが、この事情は水産ODAに限った話ではなく、道路等他分野のODAでも同じことです。

カメさんの記事にいちいちケチをつけてもしょうがないので、この辺で勘弁しますが、他の部分についても同様に根拠薄弱な部分が多いことを改めて指摘しておきましょう。
[返信する]
[45851] 肝心な部分はデータに裏づけされた捕鯨援助の格差と調達の不透明性ですが
名前:カメクジラネコ
日時:2009/05/21 02:33
>伊藤学さん
ソースの表を見て、76人の幹部を出向させている農水省から70人の幹部を受け入れている外務省への出向のみゼロだとの極めて不自然な受け止め方をするのは、世界広しといえどあなたぐらいしかいないと思いますが・・。とはいえ、憶測でない"証拠"もあげておきましょう。
2004年の『水産週報』の中で、水産庁海外漁業協力室長の成子隆英氏へのインタビュー記事があり「予算は外務省、最終決定と執行はJICA、方針と実施の裏方は水産庁」と明確に書かれていますよ。成子氏は農水省に入省された後、出向者としてODAの実務を担当し、水産庁に戻って無償援助と技術協力について外務省に指令を送るこのポストに就かれたわけですが、よくあるコースです。水産ODAについてご存知のかたにとっては周知の事実ですが。
>単に役割分担しているだけでは?
利権の役割分担? なんですか、それは?? あなたの"憶測"は日本語として理解できません。
>伝聞
伝聞ではなく直接確認した部分について指摘しただけですが。OFCA、OFCF、鯨研、水産総合研究センター、自然環境研究センターの5つについて現在の役員に含まれていないというだけです。詳細版に詳しく説明していますが、財務省からの天下りはいます。ところで、過去や他の外郭団体まで範囲を広げ、もし外務省からの天下りOBがいたとすれば、それは農水省からの圧力ではなく外務省自身が直接捕鯨利権に関わっている、というだけの話じゃないですか。
>無責任発言
外務省と農水省・水産庁の"力関係を示すデータ"はさすがにありませんからねぇ・・。外務省の責任が1割で水産庁の責任が9割か、その逆か、そんなことはどうでもいいことです。なんであなたがそんなことにこだわるのか理解しかねますが。
読者の皆さんにはそれで十分納得いただけることだと思いますが。

>(⇒それこそ資料の斜め読みをしているだけで都合のいいように勝手に解釈しているだけ)
記事のどこが資料の斜め読みなのか、「具体的に」ご指摘ください。該当記事のソースにはきちんとリンクを張っていますから、ソースとの違いを「具体的に」指摘してください。外務省と会計検査院のデータについて目を向けようとせずに、伊藤さんが記事を斜め読みして「都合のいいように勝手に解釈しているだけ」です。

この記事の肝心の部分とは、外務省と会計検査院の公開データ・数字にきちんと裏づけされた「捕鯨援助の顕著な格差と調達の不透明性」です。あなたには記事の本題が目に入らないのか、関心がないのかわかりませんが、他の読者の皆さんにはきちんとメッセージが伝わったことでしょう。
一方、あなたの"肝心部分"とやらは、私にとって瑣末などうでもいいことばかりです。記事の本筋と何の関係もないことですし。外務省の職員名をリストアップすることに、一体何か意味があるのですか?
あなたの考える「肝心部分」とやらについて、記事にして皆さんに問われてはいかがですか?
[返信する]
[45830] 肝心な部分が憶測ないし推測
名前:伊藤学
日時:2009/05/20 21:02
前のCO2の記事もそうですが、カメクジラネコさんの記事はいつも肝心部分が憶測ないし推測で成り立っており、本来コメントに値するものでないものと考えています。[45636]についても、

>人数は確認できていませんが、ソースの表をご覧いただければおわかりのとおり、外務省は70名と内閣官房、内務省に次いで多くの幹部職員を受け入れており、農水省から複数の幹部が出向していることは間違いありません。 (⇒といっても根拠なし!)それだけの圧力がこれらの外務官僚に対してかけられるのは当然のことに思えますが(⇒憶測ないし推測!)同クラスの幹部や、実務に携わる大量の出向者経由で農水省側の意向が伝えられ、外務省側も従わざるを得ないんじゃないですか。(⇒無責任発言!)捕鯨利権まみれの水産ODAを優遇せざるを得ない実態が示すとおり。(⇒単に役割分担しているだけでは?)今のところ水産系外郭団体に直接外務官僚が天下るケースはないようですから。(⇒伝聞)

また、以下の部分もひどいです。

>2回の連載記事に示したデータは(中略)外務省・JICA・会計検査院の公開資料をソースにしております。(⇒それこそ資料の斜め読みをしているだけで都合のいいように勝手に解釈しているだけ)

なお、外務省国際協力局における参事官以上の全員及びODAを担当する課長の所属府省を以下に書きます。なお、氏名は外務省ホームページにもあります。出典:時事通信社

国際協力局長        木寺昌人  外務省
 審議官          大江博   外務省
 同            小田克起  経済企画庁
 同            廣木重之  外務省
 同            宮川真喜夫 外務省
 参事官          山田 彰  外務省
 同            渡邊正人  外務省
  政策課長        梨田和也  外務省
  総合計画課長      牛尾 滋  外務省
  国別協力第一課長    本清耕造  外務省
  国別協力第二課長    宇山秀樹  外務省
  有償資金協力課長    宮原 隆  大蔵省
  無償資金・技術協力課長 柴田裕憲  外務省
[返信する]
[45636] 賢明な読者の皆様へ
名前:カメクジラネコ
日時:2009/05/16 13:40
>伊藤学さん
人数は確認できていませんが、ソースの表をご覧いただければおわかりのとおり、外務省は70名と内閣官房、内務省に次いで多くの幹部職員を受け入れており、農水省から複数の幹部が出向していることは間違いありません。それだけの圧力がこれらの外務官僚に対してかけられるのは当然のことに思えますが。同クラスの幹部や、実務に携わる大量の出向者経由で農水省側の意向が伝えられ、外務省側も従わざるを得ないんじゃないですか。捕鯨利権まみれの水産ODAを優遇せざるを得ない実態が示すとおり。今のところ水産系外郭団体に直接外務官僚が天下るケースはないようですから。もちろん今後も継続して更なる追及をしていきますが。
具体的なソースと記述の引用があれば、伊藤さんの"仮説"も多少の説得力はあるかもしれませんね。
2回の連載記事に示したデータは、「伊藤さんの脳内情報」ではなく、すべて外務省・JICA・会計検査院の公開資料をソースにしております。
あとは、記事全体をお読みになられた賢明な読者の皆様のご判断にお任せいたします。
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[45633] 賢明な読者による検証が必要な記事
名前:伊藤学
日時:2009/05/16 12:27
外務本省国際協力局の主要幹部(局長級、審議官級、課長級(政策課長、無償資金・技術協力課長、有償資金協力課長)、課長の命を受課の業務の総括等を行う首席事務官)は、外務省採用の職員が独占しており、大使館における経済班長と呼ばれる、ODAの案件調整等を総括する参事官も外務省採用の職員が担当し、アタッシェと呼ばれる各省からの出向者は参事官の命を受けて業務を行うわけです。この事実は外務省や大使館を舞台としたノンフィクションが多数出版されていますので、誰でも客観的に確認できます。で、筆者が書かれた「農水省からの出向官僚がかき回すODA外交」との節が一体どのような根拠に基づいて書かれたものか非常に興味深いですね。脳内情報かも知れませんが。
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6月1日〜6日 

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