2009年6月7日

小堀引退パーティー。今後は「とりあえず旅に出ます」


 1月にWBA世界ライト級王座を失った小堀佑介(角海老宝石)が引退を表明。7日昼、所属する角海老宝石ジムで引退パーティーを行った。 引退の理由は頚椎のヘルニア。1月のモーゼス戦後から顕著になり、再起に向けて開始したトレーニングもままならず、引退を決めたもの。
「近所の銭湯でばい菌をもらったらしい」と眼を腫らして眼帯姿の前王者は、「腕がしびれ、首もよく回らない。ヘルニアを抱えながら勝っていける甘い世界ではないので潔く引退しようと思いました」と小堀。また「世界をやるにはマッチメークやお金の面でもいろいろ大変なことがある。周囲の大変さも見てきたので、この引退でホッとした一面もあります」とこれまで背負ってきた責任感の一端も垣間見せた。
  現役を振り返って「運がよかったと思います。たまたま勝っていって、たまたま世界が獲れただけ。それなりに努力はしたつもりですが、運がよかったです。一番の思い出? 朝まで飲んで、そのまんまロードワークにいって、ゲロを食道と喉を行ったり来たりさせながら走ったことですね」。
 今後についてはまったく未定。「とりあえず旅にでも出ようかと思います。インドを皮切りに世界各地へ…。インドに特に理由はありません、何となく行ってみたいなと…。目的ないですし、期間も一週間になるか一ヶ月になるか、一年になるか…でもまあ適当ですから、行き先が大阪かなんかになるかも…。中田ヒデの千分の一です」と久々の小堀節を披露した。 ジム内でマグロの解体、外ではバーベキューとさながらピクニックのような引退パーティーで、その人柄を表すかのように先輩、後輩にスタッフ、ファンら多数が集った中で小堀は「これからも適当に生きていきます」と力みのない挨拶で締めた。

2009年6月6日

松田ダウン挽回TKOでV2


 6日夜の後楽園ホール、中川-斉藤戦のあとで行われた日本フェザー級タイトルマッチは、王者松田直樹(帝拳)が5位の上野則之(ワタナベ)に最終10回2分8秒TKO勝ち。2度目の防衛を果たした。
 2回に相打ちのタイミングの右で松田がダウンを喫するスタート。松田は持ち前の力強い右ストレート、返しの左フックで挽回に出て上野に大量の鼻血を出させる。パンチをまとめられず逆に左フックを浴びボディーを攻められるシーンもあったが、それでも挑戦者を徐々に弱らせて迎えた10回、浦谷主審が上野のダメージを慮り試合を止めた。
 チャンピオンは「上野選手は強かった」と挑戦者をたたえたが「すべてが反省点」と不満のデキに表情は冴えない。「こんなんじゃ(同僚の世界王者)粟生に笑われちゃう」と出直しを誓っていた。
 戦績は30勝13KO8敗4分1NC。一方、粟生戦以来2度目の日本王座挑戦に失敗した上野は10勝3KO9敗4分。

ダブルタイトル大熱戦-中川KO初防衛


 松田-上野戦とダブルタイトルマッチとして行われた日本ウェルター級戦は、チャンピオン中川大資(帝拳)が2位斉藤幸伸丸(輪島功一スポーツ)に逆転の7回TKO勝ちを決め、沼田康司から奪った王座の初防衛に成功した。
 中川は防衛戦の重圧からか動きが悪かった。その隙を突いた斉藤がすばやい前後左右の動きから右クロスを当てて、4回まで快調にリードする。一方の中川は右ショートアッパーで挑戦者の勢いを削ぎにかかる。飛ばし過ぎもたたったか、5回にピッチの落ちた斉藤はそれでも撹乱戦法に全力投球したが、7回に打ち合いに応じ、ここで長身王者の右大砲を何度と打ち下ろされ力尽きた。ダウンすると同時にマーチン主審が試合をストップ、タイムはこの回2分36秒。
 6回までの採点はほとんど斉藤がポイントを取っていた。「やっぱり初防衛戦は難しい」と試合後の中川はコメント。「右ショートアッパーが当たっていたし、いつか(斉藤のペースが)落ちてくると思っていた」とも話したが、難産のV1だった。中川の戦績は14勝10KO2敗1分。健闘したものの輪島ジム初のベルト奪取を果たせなかった斉藤は11勝6KO3敗1分となった。

亀海KO逸すも12連勝


 6日夜、後楽園ホールのダブルタイトル戦前座に出場した亀海喜寛(日本Sライト級1位=帝拳)はインドネシアのヘリ・アンドリヤントに8回3-0判定勝ちした。試合全般にわたって左ボディーと顔面へのストレートでアンドリヤントを痛め付けたが、相手の頑張りもあってストップへは持ち込めず。フルマークのスコアで支持されたホープはデビューからの連勝を12に伸ばした(10KO)。
 同じく帝拳ジムの日本ランカー、島崎博文(ミニマム級9位)はドリームジムの田中教仁に苦杯。一瞬速く打ち込まれる田中のパンチに後手を踏み、3回に2度ダウンを喫しストップされた。もうひとつの8回戦はフライ級ランカーの林徹磨(セレス)がサウスポー八巻裕一(野口)に危なげなく3-0判定勝ちした。
 そのほか行われた4回戦の結果は以下の通り(左が勝者)。
フェザー級
後藤一喜(帝拳)判定 工藤宏樹(ドリーム)
54・5キロ契約
金子臣爾(帝拳)判定 大坪竜也(T&T)

バスケス復帰決定 フェザー級に活路求める

 眼疾が原因でブランクをつくり、進退が注目されていた前WBC世界S・バンタム級王者イスラエル・バスケス(メキシコ)にグリーンライトが灯った。
 バスケスは、いずれも激闘となったラファエル・マルケス(メキシコ)との3連戦で両目を負傷。とくに勝利を飾ったものの、第3戦で被った傷は深刻で、その昨年3月の試合以来リングから遠ざかっていた。そして当初の休暇王者扱いからベルト返上を余儀なくされ、その間に西岡利晃(帝拳)が暫定王者から正規王者へ昇格した経緯がある。
 彼とフランク・エスピノサ・マネジャーはこれまで何度か「カムバックか引退か」の岐路に立っていたが、このほど最終的なメディカル・チェックの結果が出、晴れて復帰にゴーサインが出たもの。「ボクシングへ戻れ、本当にうれしい。一番好きなことができるから。ボクシングは自分にとり、麻薬みたいなものだね」とバスケス。
 これで西岡との事実上の“統一戦”が取りざたされるところだが、エスピノサ氏によると、今後はS・バンタム級ではなく、1階級上げたフェザー級で王座獲得を目指す。噂されるマルケスとの第4戦は、実現すればフェザー級契約の試合になるという。そのうち同級WBC王者粟生隆寛(帝拳)に標的を定める可能性も十分ある。

2009年6月5日


5日後楽園ホールで行われた東日本新人王予選の結果(左が勝者)
L・フライ級
前田健太(角海老宝石)判定 古川耕一(野口)
小俣達也(新田)判定 石井達也(協栄カヌマ)
金子達也(横浜光)判定 吉永潤一(国際)
S・バンタム級
高橋謙太(協栄)判定 堤箸弘幸(宮田)
星野裕匡(ヨネクラ)KO1R 小川昂大(KS)
フェザー級
緒方勇希(角海老宝石)TKO3R 木村昌憲(宮田)
温水祥平(石川)TKO1R 国本卓大(横浜さくら)
橋本雅樹(高崎)KO1R ハカマタコウスケ(フォーラムS)
八戸保頼(日東)判定 望月翼(横浜光)
岸文昭(宮田)判定 原口一喜(熊谷コサカ)
※山口隼人(湘南RYUJU=L・フライ)、今関佑介(花形=フェザー)は相手の棄権で勝ち上がり

2009年6月4日

リナレスV1戦は6月27日メキシコで


 新型インフルエンザの影響で延期となっていたホルヘ・リナレス(帝拳)のWBA世界S・フェザー級王座初防衛戦が、6月27日メキシコで行われることに決まった。4日、帝拳プロモーションが発表したもの。相手のホサファト・ペレス(メキシコ・ライト級王者)に変更はない。会場はメキシコ、ヌエボ・ラレード市のプラサ・デ・トロス。
 昨年11月、ガルシアとの決定戦を制して2階級制覇に成功したリナレス(23歳)はこの試合を5月9日に行うはずだったが、新型インフルの影響で延期を余儀なくされていた。
なおこの試合の模様は、29日(月)夜8時からのWOWOWエキサイトマッチでタイムリーオンエアされることになっている。