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産経「鯨肉生産は牛肉よりエコ」はデマだった

      「個人的な試算」水産庁・水研センターが報道を公式否定

※筆者は作家として、既にこの筆名を使っています(編集部)

 産経新聞4月24日付に大きな見出しの記事が躍った。
 「鯨肉は牛肉よりエコ?CO2排出量は10分の1以下」

 (以下、記事の引用)
 「数年前の調査捕鯨船団の燃料使用量からCO2の排出量を計算。捕鯨で生産・販売された鯨肉1キロ当たりのCO2排出量を試算した。その結果、日本から約1,000キロ沖で行われる北太平洋の調査捕鯨では、鯨肉1キロをとるために、約2・5キロのCO2が排出されていると推計。1万キロ以上離れた南極海の調査捕鯨では、CO2の排出量は増えたが、それでも約3キロにとどまった。これに対して、畜産農家が牛肉1キロを生産するために、排出するCO2などの温暖化ガスは36・4キロと計算されており、鯨肉の排出量は10分の1以下になることが判明した。牛肉生産では、牛の飼育やエサの生産・運搬などで大量のエネルギーが使われるが、鯨肉は、捕鯨船団の燃料だけですむため、温暖化ガス排出も比較的少ないという。」
 (引用終わり)

 記者(カメクジラネコ)は昨年、報道発表の資料をもとに調査捕鯨によって排出される二酸化炭素(CO2)排出量を試算し、JANJANに書いていた。
 「遠洋調査捕鯨は地球にやさしくない・日新丸船団、CO2を4万tは排出か?」 2008/07/20

産経「鯨肉生産は牛肉よりエコ」はデマだった | 国際捕鯨委員会(IWC)の昨年の年次会合が開かれていたチリ・サンティアゴのホテル中庭で、メディアに活動計画を説明する「シーシェパード」創立者のポール・ワトソン氏。「日本 停止 殺さない 捕獲」などの文字が見える。シーシェパードは「環境過激派」と呼ばれ、日本の調査捕鯨に反対して船団に対する直接的・暴力的な妨害活動で知られる(佐久間淳子記者撮影)
国際捕鯨委員会(IWC)の昨年の年次会合が開かれていたチリ・サンティアゴのホテル中庭で、メディアに活動計画を説明する「シーシェパード」創立者のポール・ワトソン氏。「日本 停止 殺さない 捕獲」などの文字が見える。シーシェパードは「環境過激派」と呼ばれ、日本の調査捕鯨に反対して船団に対する直接的・暴力的な妨害活動で知られる(佐久間淳子記者撮影)
 このときの推計では、鯨肉1kg当りのCO2排出量は7.7−9.7kgであった。今回の産経記事の数字とは大きく食い違う。また、産経記事の「牛肉1kg当りのCO2排出量36.4kg」についても、他の研究機関が公式に発表している約16kgという推計とは2倍以上も隔たっている。
 「“温暖化ガス排出食”の王者は牛肉、畜産分野の約80%」(2月16日、AFP)
 「クジラの肉は牛肉より環境に優しい=ノルウェー活動家」(ロイター)

 何より、「鯨肉は、捕鯨船団の燃料だけですむ」という記述が事実に反するのは明らかだ。日新丸船団がメタンや代替フロン(HFC)を排出しない新技術を搭載した「スーパー船舶」だとすれば、そちらの方で、まさに世界的なビッグニュースとなったろう。

 代替フロンは、冷凍・空調設備に冷媒として使用される。オゾン層を破壊しないが、種類によってはCO2の1万倍にも達する強力な温室効果を発揮するものがある。

 記事に名前の出た独立行政法人水産総合研究センターは、農水省所管の科学研究機関だ。理事長の中前明氏は水産庁次長から天下りした人物で、IWC(国際捕鯨委員会)日本政府代表団の団長を務める。水研センターが何らかの政治的な思惑で科学的事実と明らかに反する発表を行ったとすれば、これは重大な問題である。

 この産経記事の件について、記者は水産総合研究センターに問い合わせたところ、5月11日に同センター広報課から回答があった。「今回の調査は水産庁遠洋課からの委託で行い、産経記事は水産庁への取材に基づくもの。詳細は担当した遠洋課の水産調査官が別途連絡する」とのことであった。

 その後しばらく待ったが遠洋課からの連絡がなかったので、記者は5月25日に公開質問状を送った。
 「『鯨肉は牛肉よりエコ?』報道に関する公開質問状」(記者のブログ)

 水産庁遠洋課の伊佐調査官からご返事をいただいたのは5月28日。「水産総合研究センターとの行き違いにより返答が遅れた」という謝罪に加え、送られてきた内容は以下のとおりである。

 「ご指摘の点について、事実関係から申し上げますと今回の調査は水産庁遠洋課の委託によるものではないこと、従って質問にある調査の詳細、データ等については承知していないために返答できないことを申し上げます。一部の行政官、研究者が非公式に個人的な勉強として試算していたものを産経新聞の記者が独自に取材し、記事にしたものと推察します。

 また、産経新聞の記事にある水産庁のコメントは、同記者に対し、私から『(そのようなデータを水産庁としてオーソライズするのではなく)そのような試算を行うことには関心がある』と述べました。

 今後、水産庁としても関係方面と協力して試算を行うことを検討する際は、貴殿からのご指摘も参考にして検討して参りたいと思います。」

 調査鯨肉「土産」事件では水産庁側の説明は二転三転したが、今回の水産庁による調査委託の有無に関しては、とりあえず水研センター広報室の「勘違い」で、委託はなかったとのことである。

 水産庁側の回答を受け、記者は再度、水産総合研究センターに公式見解を求めた。そして、6月1日に同センターの和田研究推進部長から以下のご返答をいただいた。

 「今回の記事については、当センターに対しては全く取材はなく、水産庁に対して取材があったものと承知しており、水産庁からは、貴殿に対し然るべく回答された旨を伺っております。

 なお、当センターとして、わが国の調査捕鯨における鯨肉生産及び、肉牛生産におけるCO2排出量を試算したことはなく、したがって当センターの成果として公表したこともありません。」

 結局、産経が報道した今回の「調査結果」の数字は、検証をまったく経ていない個人の非公式な試算にすぎなかったことになる。「水産総合研究センターの調査で出た」という産経の報道が、当の水研センター自身によって公式に否定されたからだ。

 水産庁調査官の「関心がある」というコメントが、産経記事の中で一人歩きしてしまい、「商業捕鯨再開などをめぐる国際交渉で、反捕鯨国へ理解を求める新しい視点になる」などという、およそかけ離れた「解説」となってしまったのである。

 さらに、この産経報道は、多数の市民がブログなどに引用し、あたかも既成事実であるかのように信じ込まれている。中日新聞も、社説に次のように書いた。中日新聞から水産庁や水研センターへの取材はなかったという。

 「水産関係者によると動物性タンパク質を増やすには、畜産よりも漁業生産のほうが二酸化炭素(CO2)排出量は十分の一以下で済むという。地球環境問題からはこの指摘は無視できない。」(中日新聞5月24日付「難航IWC 溝は深いが望みはある」

 影響力のきわめて大きいマスコミの報道姿勢が問われる。産経新聞と言えば、日本の調査捕鯨の担い手・財団法人日本鯨類研究所の馬見塚達雄理事は、同社の元論説委員である。

◇ ◇ ◇

ご意見板

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[46300] それでは全く返答にもナニもなってませんが。
名前:中村透
日時:2009/06/07 17:15
>AFP記事及び輸送の環境負荷と遠洋捕鯨の環境負荷の排出比につ
>いては [46289]にて既に回答済みです。

だから、貴方は一体ナニを言ってるのか御自分で理解されてます
か?
それでは全く返答にもナニもなっておらず、単に誤魔化しの言葉
を重ねてある、というだけですが?

APF記事の内容について貴方が[46289]で書いてるのは↓。

>AFP記事のウェーバー氏の論文の「輸送コストの割合」という記
>述は、排出コストに占めるメタン等と輸送時のC02の比率であ
>り、産地とは無関係です。もちろん、少ないといっても地産地消
>に越したことはありませんが・・

それに対し私が[46283][46291]で書いたのは↓。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
ここでウェーバー氏が想定してる「輸送コストの割合」とは日本
に於ける畜産の穀物飼料輸送距離・量(全穀物飼料の9割という
量)を運ぶ場合でも変わらないのでしょうか・・・?

違いますよね。

そこで想定されてるのはあくまでカナダの様な放牧による肥育
か、或いはアメリカ型飼料肥育にしても近隣の農場から餌を運ん
で与えるという形なので輸送による温暖ガスは日本の場合のそれ
と比べ物にならない程少ない筈です。

または畜肉そのものの輸送にしても日本の様に遠くUSAや豪等の遠
距離からの輸入でなく、近場の畜舎・食肉加工場からの輸送した
肉を消費する訳ですからやはり温暖ガス排出量は遥かに少ない筈
ですよね。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
(以上引用終わり)ですよ?

排出温暖ガス中のメタン(ゲップ・糞尿等)−CO2(輸送コスト)
比率の変化が産地に無関係な訳が無いでしょう。

ウェーバー氏が想定しているのはカナダ等に於ける、畜肉・飼料
を近距離からの輸送で賄ってる畜産であって、遠距離からの飼
料・畜肉の輸送で成り立たせてる日本型畜産のCO2排出量割合と
大きく違ってくるのはアタリマエです。

しかも日本の場合は濃厚飼料(穀物)の9割を輸入に頼り、その多
くは近くてもUSA、遠くは豪・南米からですよ?
牛肉1kg生産に最大で11kgもの飼料を、その9割を南米や豪から燃
料を使って運んでる訳ですし、その穀物の為の空調電力も冷媒ガ
スも全てその輸送距離と輸送量に応じて増えているんですよ?

畜肉その物の輸入ならばやはりUSA・豪から冷凍状態を保って運
ぶ訳ですが、これによる温暖ガスの排出が産地・輸送距離と無関
係に一定だと仰るので?

(直接無関係ですがついでに書くと、その冷凍電力と冷媒ガス 
 の温暖効果が鯨肉用のそれと基本同一であり、その違いは産地
 の輸送距離が南極からであるか、豪・USAからであるか、とい 
 うだけの事です。)
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
堅山さんがリンクを提示してくださった筑波の研究機関の文献

にある「日本国内における牛肉1kgあたりのCO2排出量」が

「36,4kg」と昨年のノルウェー研究機関の15,8kgの倍以上となる

という、まさに私が言ってる事の根拠となってる事実ですが、

記者様はこの意味すら御理解されてないので?

APF記事・ウェーバー氏の想定してるカナダ・USAでの畜産・畜肉消費に於ける「輸送コスト(CO2)」と日本が現実に行ってる単位生産あたり最大11倍もの穀物飼料を豪やUSAから輸送したり、畜肉そのものを冷凍状態で同じく豪やUSAから輸送するのに掛かる畜産
・畜肉消費での「輸送コスト(CO2)」の排出量が全く違うから、
貴方がその違いを伏せたままに「畜産に於ける輸送コスト割合は低い」と書いてる、という指摘をしてるんですが、理解できてますでしょうか?

>中村さんは「試算」の言葉の意味を理解されていないようです。>また既に掲示してあるリンク文献を参照いただいておりません。
>ここで問題になるのは単位生産量(輸送量)当りの温室効果ガス>排出量です。両者の条件・効率は大きく隔たっております。中学>生の方でもご理解いただけるとは思いますが・・。

カナダ・北米での畜産温暖ガス排出の「試算」が全く条件の違う
日本の畜産温暖ガス排出にそのまま適用できる、なんてカンチガイをなさってるを記者様の方ですが?
どの「リンク先文献」の「どの部分」にカナダ等と日本の単位生産量あたりの畜産温暖ガス排出量が「同じ」或いはそこに占める
メタン(ゲップ・糞尿等)/CO2(輸送による排気ガス)の割合が
変わらない、などというトンデモ試算が記載されているのでしょうか?

「単位あたり生産量(によって排出されるCO2)」には当然、

「単位あたりの(穀物飼料などの)輸送距離」の大小が関係する

のはアタリマエの事ですよ?

「遠くから運んで消費する」場合と「近くから運んで消費する」

この二つに於いて使用する燃料の量が違う、というのは恐らく
小学校低学年のコドモにも理解できる事実だと思いますが・・?

記者様が必死になって誤魔化したいであろうこのカンチガイを
カンチガイでない、と証明できる「試算」の存在をリンク先でも
何処からでもかまいません、ココに持ってくる事が出来るまで
繰り返し何十回でも何百回でも質問を繰り返しますのでそのつもりでいて下さいね?

>>「調査副産鯨肉生産」における温暖ガス排出量逆算などは全く>意味を成さない

>産経新聞・水産庁・私・「日本の調査捕鯨による環境負荷に関心>のある内外の市民の皆さん」とは異なる中村さんの主観的なご意>見ということで承りました。もっとも、商業捕鯨再開時の環境負>荷の試算は、あまり意味をなさないとはいえ、RMS下ではほぼ>変わらないと考えられます。詳細は記事リンクをご参照くださ
>い。

単に貴方が商業捕鯨不利にハナシを持っていく為にそう決め付けてるだけ、という事ですよ?
一体どの「記事リンク先」にRMS下での商業捕鯨と現行の調査捕鯨
との燃料消費・空調冷媒等による温暖効果ガス排出が変わらない、という証明が成されているのでしょうか?
貴方個人の主観・妄想で埋めてしまってる、第三者検証の無い「試算」では全く意味が有りませんので、その部分をココに抜き出してみて下さいね?キチンと検証して差し上げますから。

以下貴方が誤魔化して返答しなかった部分は再掲しておきますのでよ〜〜〜くお読みになって下さい。
勿論貴方以外の方が読んで、如何に貴方が間違った事を言ってるか、というのを知ってもらうのにも好都合ですが。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
>また、単位生産量(輸送量)に対する輸送時の燃料消費・冷媒使
>用量を、穀物・牛肉の輸送と遠洋捕鯨とで比較した場合、後者は
>大幅に大きくなります。

これを証明する為の具体的な数字根拠は全く見当たりませんね。
記者様が鯨肉生産にかかる燃料消費とそのCO2排出量を計上した
数的根拠は朝日新聞に載った「燃料費4億円」という数字からの逆算のみ、ですよね?
記者様は上で「遠洋捕鯨」と書いてらっしゃいますが、この「燃料費4億円」とはなるべく偏らないデータを得る為の、「ランダムサンプリング」の縛りがあり、肉生産採算性も燃費も度外視して第一発見個体を追跡・捕獲しなければならない上に、SS等の妨害を避けて大きく迂回航路を取らざるを得ない、よって無駄な燃料消費を避けられない<『調査捕鯨』による燃料費>です。

勿論今回調査捕鯨による鯨肉生産の温暖ガス排出と畜肉の比較を
してしまったのは鯨研関係者?なので先ずはそこを考慮せずに論を進めてしまうのが大きな間違いです。
本来過去の南極商業捕鯨時にかかった燃料消費(勿論SS等の妨害からの迂回などの無駄が無い)をミンク換算で1000頭なら1000頭、2000頭なら2000頭分の鯨肉生産で換算してその排出量を畜肉のそれと比較するべきだったので、こんな足元を掬われるような事をしてしまった鯨研側に最初の非があるのは確かですが、この「4億円の燃料費」が商業生産鯨肉でも同様に必要であるかの如く書くいて自説有利に話を展開している貴方のやり方は卑怯です。

捕鯨の場合キャッチャーでの追跡・捕獲にかかる燃料や操業期間初期に捕獲加工した鯨肉の冷凍保存期間が日本への輸送完了まで続くという点を鑑みれば、単に輸出国からの輸送である穀物飼料や畜肉その物よりも「その部分だけ考慮すれば」不効率ですが、逆に言えば飼料も一切要らず、排泄物やゲップによる温暖効果も無い鯨肉生産にはその他環境負荷を殆ど考えなくていい、という事でもあります。(国内製品輸送・冷凍保管等の条件は畜肉でも条件は殆ど同じです。)
記者様自身が書いた↓には捕鯨船団の燃料消費がその排水量からの計算で通常の2倍から2,5倍も多い事を認めてますが、

http://www.news.janjan.jp/living/0807/0807090629/1.php?action=table&msg_article=91630
>例に挙げた2社の二酸化炭素排出量が、船の合計t数と同じくら>いか1.6倍程度なのに比べると、調査捕鯨船団は総t数の2倍>〜2.5倍とやや多いことがわかる。

この燃料消費の多さを「調査捕獲の不利なサンプリング条件」と
「SS等から妨害回避迂回航行」で説明しようとせず、何故か「燃料費4億円」に合致させる為の言い訳として、「吠える40度、叫ぶ50度、怒涛の60度」と畜肉輸送にも全く同等に必要である筈の「冷凍電力生産」で無理やり説明しようとなさってます。

これはたとえば南緯60度・経緯何度の南極海で、何月に何km航行してるからこれだけ燃料を多く消費する、という数的根拠が全く無く、単に「燃料費4億円」に「帳簿合わせ」する為に妄想で補ってる、という事で客観性も何もあったものじゃありませんよ?

同じ事が私の「SS妨害回避で燃料食った」「ランダムサンプルだから燃料食った」にも言えますが、だからこそ消費燃料から

  「 調 査 副 産 鯨 肉 生 産 」

に於ける温暖ガス排出量逆算などは全く意味を成さない、という事です。
商業捕獲鯨肉と畜肉との公正な比較をすれば、少なくとも日本に於ける消費畜肉で南極鯨肉より総合温暖ガス排出が少なくて済むのは鶏肉ぐらいでしょう。
それだけ温暖ガス排出が多い、という根拠説明は上に挙げたFAO
報告書に目を通していただければよくお分かりになると思います。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

何れにせよこのレベルの浅ましい誤魔化し・ミスリードで逃げようとするアタマの持ち主が政府機関の向こうを張って「不正を暴き立ててる」様な気になってらっしゃるのが凄い事だと思います・・・

何れにせよ記者様がキッチリ、「リンク先の文献・試算」を
提示して説明なされるまで何度でも質問を繰り返させていただきます。
[返信する]
[46299] まぎらわしい
名前:堅山安夫
日時:2009/06/07 16:31
>「数字はそもそも存在しない」というのが水研センターの公式見解です。


「水研センターの出した数字ではない」「水研センターとして、そういう試算があることを把握していない」ですよね。


>拙記事中には事実に反する記載はありません。


消火器売りが「消防署のほうから来ました」というのも、事実に反してはいませんよね。


[返信する]
[46295] 鯨肉は牛肉より明らかにエコ度が高いでしょう
名前:bobby2009
日時:2009/06/07 14:29
【本記事に関してカメクジラネコ記者への質問状】

1)産経だけでなく記事中で引用されたロイター記事を見ても、鯨肉が牛肉よりCO2排出量が少ないようです。この事を認めますか。

2)輸送や保存に要するCO2排出は、鯨肉だけでなく牛肉でも同様に必要だという事を認めますか。

3)沿岸捕鯨が開始できれば、鯨肉1キロに要するCO2を更に削減できる事を認めますか。

この記事に関するレス記事を書きました。ご参照ください。
http://bobby.hkisl.net/mutteraway/?p=981
[返信する]
[46294] 当記事と無関係なコメントはご遠慮ください
名前:カメクジラネコ
日時:2009/06/07 14:19
>堅山安夫さん
追加の補足で恐縮ですが、記事中にありますように、「数字はそもそも存在しない」というのが水研センターの公式見解です。「非公式な個人の勉強」というのは本庁調査官の方の推察で、事実はわかりません。判明したら教えてくださるようにお願いしてはおりますが・・。行政の立場としては論評のしようがないということです(当然でしょうけれども)。今後もし、ご回答いただいたとおり私の指摘も考慮のうえ「正式な試算」が行われ、結果が発表されることがあれば、再度検証させていただく形になるかと思います。


>中村透さん
堅山さんがリンクを提示してくださった筑波の研究機関の文献、当記事中の水産庁・水研センター宛の公開質問状の問15及び参考文献をご参照ください。
AFP記事及び輸送の環境負荷と遠洋捕鯨の環境負荷の排出比については[46289]にて既に回答済みです。中村さんは「試算」の言葉の意味を理解されていないようです。また既に掲示してあるリンク文献を参照いただいておりません。ここで問題になるのは単位生産量(輸送量)当りの温室効果ガス排出量です。両者の条件・効率は大きく隔たっております。中学生の方でもご理解いただけるとは思いますが・・。
>「調査副産鯨肉生産」における温暖ガス排出量逆算などは全く意味を成さない
産経新聞・水産庁・私・「日本の調査捕鯨による環境負荷に関心のある内外の市民の皆さん」とは異なる中村さんの主観的なご意見ということで承りました。もっとも、商業捕鯨再開時の環境負荷の試算は、あまり意味をなさないとはいえ、RMS下ではほぼ変わらないと考えられます。詳細は記事リンクをご参照ください。
匿名掲示板中の書き込みとその転載に、ソースとしての信頼性は皆無です。


読者の皆様へ
当記事の内容は、産経新聞による報道が、存在しない数字を公的機関の発表であると偽り、「鯨肉生産による排出は燃料消費のみ」という事実に反する主張をして読者をミスリードした悪質なものであることを、取材によって明らかにしたものです。拙記事中には事実に反する記載はありません。
また、当方の主張は産経や反・反捕鯨論者と異なり、個々の温室効果ガス排出活動の排出量算出と具体的な削減策に関する一般的な議論の文脈に沿ったものにすぎません。良識ある水産庁の方にはご納得いただけたわけですが。
記事内容と無関係なコメント、回答済みの質問の繰り返しはご遠慮ください。持論を展開したいだけの方は、他人のリソースに便乗するのではなく、ご自分で取材等を行い記事を書くか、ご自身のブログを開設されることをお薦めいたします。
[46241]にて堅山さんより大変有意義な情報・リンクをご提供いただきましたが、今後の返答は「回答の必要があるもの」のみに限らせていただきます。
[返信する]
[46291] 御聞きした事から全くズレた返答を寄越されましても...
名前:中村透
日時:2009/06/07 11:32
>堅山さんへの回答をご参照ください。

そこには、

>有機農法畜産による場合、40%の排出削減(燃料消費85%削減を含>む)が可能であると記述されております。

とありますが、その実現が実質極めて難しく、現状全く改善目処
が立ってないというのが反捕鯨派さん達が必死に隠したがる、

「牛が環境への最大の脅威 FAO報告」(2006年)
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/agrifood/agrienvi/06121301.htm ―Livestock’s long shadow,06.11.29

http://www.fao.org/docrep/010/a0701e/a0701e00.htm

LIVESTOCK'S LONG SHADOW environmental issues and options

には明確に書かれてるんですよね。
机上の理想としては「削減が可能」。でも一体誰がやるの?
現実としては畜産の規模を縮小する他無いだろう、というのが
この報告書の結論です。
そして貴方達反捕鯨さんがこの報告書で一番無視したいのは
「畜産廃液による海洋生態系の破壊」が甚大である、という事実
ですよね。この件に関しては今回の生地に直接関係無いのでさわりの紹介だけに留めますが。

・「家畜部門は、ますます希少になる地球の水資源への最大の加害者」

であり、

・家畜部門は、とりわけ水汚染、富栄養化、珊瑚礁破壊の最大の元凶

で、且つ

・海洋生態系の生物多様性損失の原因となっている。

・・・尚、捕鯨反対を看板商品として掲げておられる「環境保護」団体さん達は、
揃いも揃ってこのFAO報告書の内容の紹介はおろかURLのリンクさえ貼っておりません。
ドル箱商品としての反捕鯨活動に支障が出るからでしょう。推して知るべし、ですが。

>AFP記事のウェーバー氏の論文の「輸送コストの割合」という記
>述は、排出コストに占めるメタン等と輸送時のC02の比率であ
>り、産地とは無関係です。もちろん、少ないといっても地産地消>に越したことはありませんが・・

一体ナニを言っておられるんでしょうか?
私が書いたのは↓。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
ここでウェーバー氏が想定してる「輸送コストの割合」とは日本に於ける畜産の穀物飼料輸送距離・量(全穀物飼料の9割という量)を運ぶ場合でも変わらないのでしょうか・・・?

違いますよね。

そこで想定されてるのはあくまでカナダの様な放牧による肥育か、或いはアメリカ型飼料肥育にしても近隣の農場から餌を運んで与えるという形なので輸送による温暖ガスは日本の場合のそれと比べ物にならない程少ない筈です。

または畜肉そのものの輸送にしても日本の様に遠くUSAや豪等の遠距離からの輸入でなく、近場の畜舎・食肉加工場からの輸送した
肉を消費する訳ですからやはり温暖ガス排出量は遥かに少ない筈ですよね。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
(以上引用終わり)ですよ?

排出温暖ガス中のメタン(ゲップ・糞尿等)−CO2(輸送コスト)比率の変化が産地に無関係な訳が無いでしょう。

ウェーバー氏が想定しているのはカナダ等に於ける、畜肉・飼料を近距離からの輸送で賄ってる畜産であって、遠距離からの飼料・畜肉の輸送で成り立たせてる日本型畜産のCO2排出量割合と
大きく違ってくるのはアタリマエです。

しかも日本の場合は濃厚飼料(穀物)の9割を輸入に頼り、その多くは近くてもUSA、遠くは豪・南米からですよ?
牛肉1kg生産に最大で11kgもの飼料を、その9割を南米や豪から燃料を使って運んでる訳ですし、その穀物の為の空調電力も冷媒ガスも全てその輸送距離と輸送量に応じて増えているんですよ?

畜肉その物の輸入ならばやはりUSA・豪から冷凍状態を保って運ぶ
訳ですが、これによる温暖ガスの排出が産地・輸送距離と無関係に一定だと仰るので?

(直接無関係ですがついでに書くと、その冷凍電力と冷媒ガス  の温暖効果が鯨肉用のそれと基本同一であり、その違いは産地 の輸送距離が南極からであるか、豪・USAからであるか、とい  うだけの事です。)

>また、単位生産量(輸送量)に対する輸送時の燃料消費・冷媒使>用量を、穀物・牛肉の輸送と遠洋捕鯨とで比較した場合、後者は>大幅に大きくなります。

これを証明する為の具体的な数字根拠は全く見当たりませんね。
記者様が鯨肉生産にかかる燃料消費とそのCO2排出量を計上した
数的根拠は朝日新聞に載った「燃料費4億円」という数字からの逆算のみ、ですよね?
記者様は上で「遠洋捕鯨」と書いてらっしゃいますが、この「燃料費4億円」とはなるべく偏らないデータを得る為の、「ランダムサンプリング」の縛りがあり、肉生産採算性も燃費も度外視して第一発見個体を追跡・捕獲しなければならない上に、SS等の妨害を避けて大きく迂回航路を取らざるを得ない、よって無駄な燃料消費を避けられない<『調査捕鯨』による燃料費>です。

勿論今回調査捕鯨による鯨肉生産の温暖ガス排出と畜肉の比較を
してしまったのは鯨研関係者?なので先ずはそこを考慮せずに論を進めてしまうのが大きな間違いです。
本来過去の南極商業捕鯨時にかかった燃料消費(勿論SS等の妨害からの迂回などの無駄が無い)をミンク換算で1000頭なら1000頭、2000頭なら2000頭分の鯨肉生産で換算してその排出量を畜肉のそれと比較するべきだったので、こんな足元を掬われるような事をしてしまった鯨研側に最初の非があるのは確かですが、この「4億円の燃料費」が商業生産鯨肉でも同様に必要であるかの如く書くいて自説有利に話を展開している貴方のやり方は卑怯です。

捕鯨の場合キャッチャーでの追跡・捕獲にかかる燃料や操業期間初期に捕獲加工した鯨肉の冷凍保存期間が日本への輸送完了まで続くという点を鑑みれば、単に輸出国からの輸送である穀物飼料や畜肉その物よりも「その部分だけ考慮すれば」不効率ですが、逆に言えば飼料も一切要らず、排泄物やゲップによる温暖効果も無い鯨肉生産にはその他環境負荷を殆ど考えなくていい、という事でもあります。(国内製品輸送・冷凍保管等の条件は畜肉でも条件は殆ど同じです。)
記者様自身が書いた↓には捕鯨船団の燃料消費がその排水量からの計算で通常の2倍から2,5倍も多い事を認めてますが、

http://www.news.janjan.jp/living/0807/0807090629/1.php?action=table&msg_article=91630
>例に挙げた2社の二酸化炭素排出量が、船の合計t数と同じくら>いか1.6倍程度なのに比べると、調査捕鯨船団は総t数の2倍>〜2.5倍とやや多いことがわかる。

この燃料消費の多さを「調査捕獲の不利なサンプリング条件」と
「SS等から妨害回避迂回航行」で説明しようとせず、何故か「燃料費4億円」に合致させる為の言い訳として、「吠える40度、叫ぶ50度、怒涛の60度」と畜肉輸送にも全く同等に必要である筈の「冷凍電力生産」で無理やり説明しようとなさってます。

これはたとえば南緯60度・経緯何度の南極海で、何月に何km航行してるからこれだけ燃料を多く消費する、という数的根拠が全く無く、単に「燃料費4億円」に「帳簿合わせ」する為に妄想で補ってる、という事で客観性も何もあったものじゃありませんよ?

同じ事が私の「SS妨害回避で燃料食った」「ランダムサンプルだから燃料食った」にも言えますが、だからこそ消費燃料から

  「 調 査 副 産 鯨 肉 生 産 」

に於ける温暖ガス排出量逆算などは全く意味を成さない、という事です。
商業捕獲鯨肉と畜肉との公正な比較をすれば、少なくとも日本に於ける消費畜肉で南極鯨肉より総合温暖ガス排出が少なくて済むのは鶏肉ぐらいでしょう。
それだけ温暖ガス排出が多い、という根拠説明は上に挙げたFAO
報告書に目を通していただければよくお分かりになると思います。

>なお、拙ブログには捕鯨賛成派の方のコメントが多数掲載されお>ります。削除対象はブログと無関係なアラシコメントのみです。>事実に反する誹謗中傷はおやめください。

記者様のブログに消されずに残ってる捕鯨賛成派のコメントは
当たり障りの無いものだけですよね。
私は1年以上前から貴ブログを閲覧していますが、明らかな誹謗
コメント以外でも核心を突いた意見は掲載から間を置かずに削除
されているのを何度も目撃していますし、最近はコメント認証制
にしてしまい、不都合な意見はハナっから掲載しないようになさってます。
つい先頃も私が出入りしている某掲示板に、反論コメントを書いて一度は載せられたもののブログ主に反論され、その後の再反論は一切受け付けられずに主からの一方的な再々反論コメントだけが残されてる、という苦情が出ているのを目にしました。
その方が書いたのにも拘らず掲載されなかったというコメントを
その某掲示板に転載されてましたが、私の意見とは多少方向性は違えど、「アラシのコメント」とはとても言えない、筋の通った
意見でした。

御要望とあればそのコメント主の許可を得てココに全文コピーして差し上げますが、如何なさいますか?

また、記者様のブログに私が意見コメントを書き込んでも絶対に削除しない、と約束してくだされば私もコメントを書いてみたいのですがカメクジラネコ様にそのような勇気はお有りでしょうか?
貴方に不都合な意見を全て「アラシのコメント」にして掲載拒否され、それへ主からの一方的な勝利宣言コメントだけ残されては堪りませんし時間と労力の無駄、ですから。
[返信する]
[46289] ご意見ありがとうございます
名前:カメクジラネコ
日時:2009/06/07 03:51
>堅山安夫さん
産経の同タイトルの記事が虚報だった(水産庁・水研センターの公式見解と異なるものを公式見解として報道した)という主旨ですので、ご理解ください。
文献のリンクをご紹介いただきありがとうございます。この試算にはメタンだけではなく、飼料作物栽培時の化学肥料の施肥とエネルギー消費によって引き起こされる排出の値(C02換算)も含まれております。有機農法畜産による場合、40%の排出削減(燃料消費85%削減を含む)が可能であると記述されております。リンク先の「公開質問状」質問14及び15とも合わせてご参照ください。
当方の試算は研究者の方にもチェックしていただきましたが、第三者による検証、試算に含めなかった部分の算出はぜひやっていただきたいと考えております。


>中村透さん
堅山さんへの回答をご参照ください。
AFP記事のウェーバー氏の論文の「輸送コストの割合」という記述は、排出コストに占めるメタン等と輸送時のC02の比率であり、産地とは無関係です。もちろん、少ないといっても地産地消に越したことはありませんが・・
また、単位生産量(輸送量)に対する輸送時の燃料消費・冷媒使用量を、穀物・牛肉の輸送と遠洋捕鯨とで比較した場合、後者は大幅に大きくなります。記事もしくは拙ブログの船舶の温室効果ガス排出量計算関係のリンクをご参照ください。
なお、拙ブログには捕鯨賛成派の方のコメントが多数掲載されおります。削除対象はブログと無関係なアラシコメントのみです。事実に反する誹謗中傷はおやめください。
[返信する]
[46288] 少し訂正する分がありました。
名前:中村透
日時:2009/06/06 23:58
>そしてこれ等畜肉の温暖ガス排出条件についての数字をキチンと
>計上しないままに鯨肉での「船舶輸送燃料以外」の排出条件ばか>り取り上げて書かれた、記者様の以前のJANJAN記事も大いに不公>平であると言っておきます。

ココは事実と若干違う事を書いてしまってたので訂正。

そしてこれ等畜肉の温暖ガス排出条件についての数字をキチンと計上しないままに鯨肉生産での「輸送燃料以外」の排出条件を
大きく取り上げて、さも「鯨肉には冷凍空調で莫大な温暖ガス排出がある」と印象操作している、以前の記者様によるJANJAN記事
も大いに不公平であると言っておきます。
[返信する]
[46283] 元記事は数字根拠が明らかでないので問題ではありますが...
名前:中村透
日時:2009/06/06 23:27
初めてコメント差し上げます。

>また、産経記事の「牛肉1kg当りのCO2排出量36.4k
>g」についても、他の研究機関が公式に発表している約16kg>という推計とは2倍以上も隔たっている。

記者様は「他の研究機関」と書かれてますがその「約16kg」という数字は昨年のノルウェー捕鯨関係研究所の発表ですよね?

畜産飼料の9割以上を南米やオーストラリア、近場でもUSAから輸入してる日本が、牛肉生産の多くを放牧によって行い、その他飼料肥育の場合も飼料の多くを自国調達或いは近隣EU諸国からしか輸入しないノルウェーより多くなるのは当然だと思いますよ?

牛肉1kg生産あたり最大で11倍・11kgもの飼料をエッチラオッチラ南米や豪から運ぶ、その過程で排出されるCO2他空調用エネルギーや、穀物飼料輸送にも除湿等は必須ですから、空調冷媒などを考慮しなければなりません。
その様な条件の下に成り立ってる日本の畜産と、飼料輸送をほとんど必要としないノルウェーの温暖ガス排出量が大きく違うのは当然の事ですよね。

また、日本の場合「畜肉その物」を輸入した場合を考慮しても輸入先は北米か豪がほとんど。
その場合、モノが生鮮食肉なので輸送時に必要とされる冷凍電力生産や冷凍冷蔵用の空調冷媒で生み出される温暖ガスは穀物飼料輸送時のそれより遥かに多くなります。

これ等を全て統合して計算した数字がノルウェーの倍以上になったとしても全く不思議は無いです。

勿論今回日本側がこの数字の出所を明確にしてないのは大いに問題があるけど、それ以前の問題として日本とノルウェーじゃ単位あたりの畜肉生産による温暖ガス排出量に大きな開きが出るのは中学生にでも解りそうな物です。

堅山様のコメント末尾にもありますが、条件が違うのが明白なのにそれを伏せて、あたかも産経記者だけがでっち上げの数字を元に記事を仕立て上げてるが如く書くのはいかがなものでしょうか。

>日新丸船団がメタンや代替フロン(HFC)を排出しない新技術>を搭載した「スーパー船舶」だとすれば、そちらの方で、まさに>世界的なビッグニュースとなったろう。
>代替フロンは、冷凍・空調設備に冷媒として使用される。オゾン>層を破壊しないが、種類によってはCO2の1万倍にも達する強
>力な温室効果を発揮するものがある。

記者様は何故だかこれ等の空調冷媒が「鯨肉輸送時のみ」にしか
かからない様な誤解を与えかねない言い方をされてますが、上で書きました様に、北米・南米・豪州からの畜肉輸入・輸送にも当然同じく冷凍・空調設備とそれによる温暖ガス排出は伴いますよ?
産経記事の「船舶燃料による分だけが温暖ガス排出総量だ」が誤りなのは事実ですが、遠い海外からの畜肉輸入にも同じネガティブなファクターがあるのを隠してはいけませんね。
そしてこれ等畜肉の温暖ガス排出条件についての数字をキチンと
計上しないままに鯨肉での「船舶輸送燃料以外」の排出条件ばかり取り上げて書かれた、記者様の以前のJANJAN記事も大いに不公平であると言っておきます。

もう一つ、今回の記事では直接触れられてない部分ですがテーマ
としては大いに関係する事実関係について。
記者様が紹介してるリンク、

「“温暖化ガス排出食”の王者は牛肉、畜産分野の約80%」(2月16日、AFP) の末尾にある、

>一方、輸送過程で生まれる排出ガスを抑えようという考えで、地>元産の肉類や乳製品に切り替えてもそれほどの効果はないと言
>う。輸送過程での排出量は牛肉生産全体の排出量の5%しか占め
>ていないからだ。「週に1回、肉と乳製品をまったく食べない日
>を作るほうが、1年中毎日地元のものに限った肉や乳製品を食べ
>るよりもずっと大きな効果がある」(ウェーバー氏)

記者様がこれを引用して書いたブログ記事はまるで日本の輸入飼料に頼り切った畜産の、その非効率な輸送燃料消費/温暖ガス排出ですらも、捕鯨に於ける温暖ガス排出総量に比較すれば小さな問題でしかない、と言ってる様に受け取れます。

http://kkneko.sblo.jp/article/28686903.html
(記者様のブログ4月25日分。以下引用)

>AFPの記事では、輸送コストの割合はそれほど大きくないそう>です。地産地消という最も大切な伝統文化を守るに越したことは>ありませんが、「週に1回、肉と乳製品をまったく食べない日を
>作るほうが、1年中毎日地元のものに限った肉や乳製品を食べる
>よりもずっと大きな効果がある」という教授の講義はごもっと
>も。

ここでウェーバー氏が想定してる「輸送コストの割合」とは日本に於ける畜産の穀物飼料輸送距離・量(全穀物飼料の9割という量)を運ぶ場合でも変わらないのでしょうか・・・?

違いますよね。

そこで想定されてるのはあくまでカナダの様な放牧による肥育か、或いはアメリカ型飼料肥育にしても近隣の農場から餌を運んで与えるという形なので輸送による温暖ガスは日本の場合のそれと比べ物にならない程少ない筈です。

または畜肉そのものの輸送にしても日本の様に遠くUSAや豪等の遠距離からの輸入でなく、近場の畜舎・食肉加工場からの輸送した
肉を消費する訳ですからやはり温暖ガス排出量は遥かに少ない筈ですよね。

これについては記者様のブログでも書かれてるのを拝見しまして
その場にコメントしたかったのですが、残念ながら記者様のブログへ捕鯨賛成の立場で書かれたコメントは往々にして削除されてしまう、或いは初めから掲載受付けしてもらえずにブログ主様からの反論コメントだけが載っている、という状況が多いようでして、その様な書き込みを色んな場所で見るにつけ、時間とエネルギーの無駄になるから・・・と躊躇っておりましたが、ココのこの記事にも同じAFPソースが貼ってありましたので書いてみました。(因みに私は今まで記者様のブログにコメントした事はありません。)

私は学者ではありませんから日本や欧米の畜産に於ける畜産の温暖ガス排出量や捕鯨のそれを計算して出せ、と言われても出せませんが、この記事に記者様が書かれてる比較の為の数字根拠がオカシイ、という指摘は出来ます。
記者様の他の記事をいくつか見ましても「数字の根拠が不明である」という指摘がコメント中に散見されますが、今回の記事の様に印象誘導に都合良くノルウェー研究の数字やAFP記事の「教授の講義」を、日本とは条件が違う事を伏せたまま引用する、というのは卑怯に過ぎると感じます。

カメクジラ様はココで仮にもJANJAN記者・ジャーナリストとしての文章を書いておられるのですからこの様な公平性を欠く姿勢は
改められた方が宜しいかと存じます。
[返信する]
[46241] 不適当なタイトル
名前:堅山安夫
日時:2009/06/05 21:14
 結局、確かなことは「産経新聞が水産庁・水研センターの公式見解であるかのような書き方をしたのは明らかな誤り」ということですよね。


 「検証をまったく経ていない個人の非公式な試算」の内容自体が誤りであるかどうかは別の問題ですよね。(水研センターは出てきた数字について否定も肯定もしていませんよね)
 カメクジラネコ記者が昨年JANJANに書いていた試算も、「検証をまったく経ていない個人の非公式な試算」ですよね。(カメクジラネコ記者の試算でも鯨肉のほうがCO2排出量は少なくなっていますが)


 それに対して、「産経「鯨肉生産は牛肉よりエコ」はデマだった−「個人的な試算」水産庁・水研センターが報道を公式否定」というタイトルをつけるのは、読者の誤解を誘導するようなやり方だと思いますが。


追伸
牛肉1キロあたり二酸化炭素(CO2)36.4キロ相当というのは、つくばの畜産草地研究所の荻野暁史氏によるものと思われます。日本国内の場合の、牛のげっぷによるメタンも二酸化炭素に換算して合算したものです。
http://www.newscientist.com/article/mg19526134.500-meat-is-murder-on-the-environment.html
[返信する]

5月25日〜30日 

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