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新こども病院:福岡市が正常分娩の取り扱いも検討/病床数の確保目指す? 産科医らに反対の声も

 福岡市が市立こども病院・感染症センター(中央区)を市東部の人工島に移転させた後、現在の小児医療に加え、正常分娩も扱う方向で検討を始めていることが分かった。これまでは「母体や胎児に異常があるハイリスクの患者のみを扱う」としていた。人工島が市の中心部から遠いことなどを理由に産科開業医らから反対の声が上がっており、移転を巡って根強い反対がある病院は新たな火種を抱え込むことになりそうだ。

 福岡市はこれまで移転後のこども病院について、周産期医療を追加することは説明していたが、対象を「ハイリスクの患者」として、正常分べんは対象外と説明していた。

 方針変更の理由について、市側は大病院ではなく、診療所で出産する人が約7割という福岡特有の出産事情について触れ「市内の産科医が高齢化すれば産科医が不足する恐れがあり、将来的には新病院が正常分べんも担う必要があると考えている。病院の経営安定にもにつながる」と説明する。

 ただ、背景には福岡市が移転後の病床数について「260床(うち特例病床数70)」と申請しながら、県の医療審議会が「233床(同43床)」として知事に答申した経緯もあるとされる。病床数の減少は新病院の経営計画に影響する恐れがある一方、「このままでは病床数の上積みは困難」との見方が市側にあり、これまでの方針にはない正常分べんを扱うことで病床数の確保を図りたいとの考えもあるとみられる。

 これに対し、福岡市内の産婦人科の開業医らは「市中心部から遠い人工島では、緊急搬送が間に合わない」「正常分べんを扱っても場所の遠さから患者は増えないだろうし、民業圧迫にもなる」などと批判する。

 現在、福岡市中央区にあるこども病院は、東区への移転に伴って「通院が不便になる」などと患者・家族のほか、市民の間にも根強い反対がある。市が正常分べんの取り扱いを決めた場合、新病院が担う「医療機能」を巡っても今後論議を呼びそうだ。【鈴木美穂】

2009年6月6日

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