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【神奈川】

藤沢の中学いじめ訴訟 衣服切り裂き「犯罪行為」指摘 市に124万円賠償命令

2009年6月6日

 藤沢市立湘洋中学校を卒業した女性(19)が、在学中にいじめを受けて精神的苦痛で難聴になったのは、学校が適切な対応を怠ったためとして、市に約四百五十万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が五日、横浜地裁であり、三代川俊一郎裁判官は市に約百二十四万円の支払いを命じた。

 三代川裁判官は判決で、女性が中学三年間、何者かに通学かばんや衣服を刃物で切り裂かれたほか、同じ部活の同級生二人から「死ね。うざい」などと暴言を繰り返し受けた行為をいじめと認定。

 特にかばんや衣服の被害について、「嫌がらせの域を超えた犯罪行為」と指摘。「いじめではない」とする市側の主張を「事の重大性に対する認識の甘さを指摘されてもやむを得ない」として、退けた。

 その上で、「加害者を特定する努力や防止策などの適切な措置を取っていない」として、学校側の責任を認めた。

 女性はいじめの精神的苦痛が原因で、難聴となり、現在も通院を続けている。判決後に女性は、「先生はいじめを認めてくれず、私が悪いと言い続けた。人権を否定された思いだった。時間はかかったが、裁判所で認めてもらえてうれしい」と話した。

 同市の佐々木柿己教育長は、「判決書が届いていないのでコメントできない」とした。

 

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