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メディア芸術センター:里中満智子さんら「拠点は必要」…批判に反論

メディア芸術総合センターのあり方について意見を述べる里中満智子さん(右から2人目)ら=東京都内で2009年6月4日午後2時50分ごろ
メディア芸術総合センターのあり方について意見を述べる里中満智子さん(右から2人目)ら=東京都内で2009年6月4日午後2時50分ごろ

 アニメ・マンガ・ゲームなどの総合拠点として、09年度補正予算成立で設置が決まった「国立メディア芸術総合センター(仮称)」のあり方を巡り、有識者による「考える会」が4日、東京都内で開かれた。出席したマンガ家の里中満智子さんは「劣化が進む貴重なマンガ原画を保存・修復する拠点は緊急に必要」と設置への賛成を表明。「書店で手に入るものを集める必要はない。日本独自の文化のシンボルがなくてはならない」と述べ、「巨大国営マンガ喫茶」「税金の無駄遣い」とする民主党などの批判に反論した。

 里中さんのほか、文化庁検討会で座長を務める浜野保樹・東大大学院教授(メディア論)、アートユニット「明和電機」の土佐信道さんらが出席。それぞれ同施設に賛成の立場から意見を表明した。海外でも人気の高い土佐さんは「“風俗”としてのマンガやアニメも、うまくパッケージにすれば(世界に発信する試みとして)面白い。アートとエンターテインメントを区別せず発表できることも大事」と意義を述べた。

 一方で、具体的な展示内容、採算が取れる運営方法などは白紙のまま。「東京都内に4~5階建て、お台場は好適地」とする文化庁報告書についても「実際はまったくの未定。イメージ図は検討会メンバーが削除を求めたほど」(浜野教授)。里中さんも「何も決まっていないので(計画が)流れてしまわないか冷や冷やしている」と述べるなど、先行きは依然不確かだ。「閑古鳥の鳴く不人気施設になるのでは」との恐れをぬぐい去るには時間がかかりそうだ。

 同施設を巡っては、民主党の鳩山由紀夫代表らが国会で再三、「無駄遣い」批判を展開しているほか、マンガ家の石坂啓さんも同党の勉強会で「国費で額縁に原画を飾っても、ありがたがって見に来るマンガ好きはいない。恥ずかしいから私の作品は並べないで」などと痛烈に批判していた。【佐々木宏之】 

2009年6月4日

 

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