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裁判員選任、性犯罪被害者に名簿を開示 最高裁が通知へ

2009年6月5日7時59分

 裁判員制度で、裁判員候補者から裁判員を選任する過程で、被害者の名前などが示されると「性犯罪被害者のプライバシーが守られない」とする不安が広がっている問題で、最高裁は4日、検察を通じて被害者に先に裁判員候補者名簿を開示して関係者を特定してもらうとの対応策を打ち出した。地裁に通知する。

 同日、国会内で市民団体「性暴力禁止法をつくろうネットワーク」(運営委員=戒能民江お茶の水女子大副学長ら)などが開いた意見交換会で最高裁側が明らかにした。

 最高裁によると、選任の2日前までに、裁判員候補者名簿を検察と被告弁護人に送付する。被告と被害者の、親族らと雇用関係者は裁判員になれないため、「この時点で不適格事由に該当する人がわかれば、当日は呼ばないなど除外できる。候補者に被害者特定情報を示さなくてすむ」と説明している。

 ただ、意見交換会では「裁判員にも知られたくないし、裁判員対象事件から性犯罪をはずしてほしい」という被害者の意見が続いた。参加した福島瑞穂・社民党党首は「性犯罪を入れることが妥当なのか。法改正した方がよいと考える」と発言した。

 性犯罪のうち、強姦(ごうかん)致死傷、強制わいせつ致死傷、強盗強姦事件などが、裁判員裁判の対象になる。先月21日の制度開始から3日までに、鹿児島、東京、熊本、千葉、青森、鳥取、長崎、静岡、福岡、大阪、栃木の11都府県で12人の被告がこれらの罪で起訴されている。(編集委員・河原理子)

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