田村市は3日、市長交際費など約210万円を着服したとして、市会計課の女性主査(35)を同日付で懲戒免職にしたと発表した。主査は「振り込め詐欺に遭い、金に困っていた」と話しているという。同市は刑事告訴を検討している。
同市によると、主査は公金の振り替えや帳簿管理を担当。昨年9月~今年3月、市長交際費と市議会議長交際費、市長選立会人報酬のうち、清算に伴い各課担当者から返納された計約210万円を指定金融機関に入金せず、着服した。市財政課が08年度決算を精査した際、預金残高が見込み額と一致せず分かった。2日に全額を同市に弁済した。
主査は、昨秋に携帯電話の懸賞サイトに応募し、電話で「個人情報が流出しており、消去には50万円必要」と伝えられ、数回で計約200万円振り込んだと話しているという。
同市は管理責任を問い上司2人を訓告処分とし、冨塚宥〓(ゆうけい)市長の減給を検討している。会見した冨塚市長は「振り込め詐欺撲滅を掲げながら、この事態は残念。信頼の早期回復に努めたい」と話した。【関雄輔】
毎日新聞 2009年6月4日 地方版