菅家受刑者、異例の釈放へ 足利事件、再審無罪の公算栃木県足利市で1990年、保育園女児=当時(4)=が誘拐、殺害された事件で、東京高検は4日、菅家利和受刑者(62)=殺人罪などで無期懲役確定=の再審開始を認めるとの意見書を東京高裁に提出した。菅家さんを服役先の千葉刑務所から同日午後にも釈放する。再審開始は決定的となり、無罪が言い渡される公算が極めて大きくなった。 検察側の判断で、再審請求中の受刑者の刑の執行を停止するのは極めて異例。 高検は意見書で、菅家さんと女児の着衣に付着していた体液のDNA型が一致しなかったとの再鑑定結果について「無罪を言い渡すべき明らかな証拠に該当する可能性が高い」と認めた。 再鑑定は高裁の職権で行われ、検察側と弁護側双方がそれぞれ推薦した鑑定人2人が異なる方法で分析、いずれも不一致の結果が出た。高裁は検察側、弁護側双方に12日までに意見書を提出するよう求めていた。 確定判決では、菅家さんが90年5月、足利市内のパチンコ店から女児を近くの河川敷に誘い出し絞殺した、とされている。 菅家さんは一審公判途中から無罪を主張。捜査段階の自白やDNA鑑定の信用性を争ったが、一、二審に続いて最高裁は2000年、DNA鑑定の証拠能力を初めて認定、上告を棄却する決定をした。 弁護側は再審請求したが、宇都宮地裁で棄却され東京高裁に即時抗告。 高裁は昨年12月、DNA型が一致するかどうかの再鑑定実施を決定。菅家さんの口の粘膜や血液を採取し、鑑定人2人が分析を進めていた。 【共同通信】 |
関連記事を取得中...
|
ソーシャルブックマークへ投稿: (ソーシャルブックマークとは)