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難民保護費:要件厳格化、127人不支給 家賃払えず退去も

 難民認定申請した外国人に国が支給する生活費「保護費」の要件を外務省が厳格化したため、支給を打ち切られたり支給が認められなかった難民が5月末で少なくとも127人に上ることがわかった。このうち13人が住居を失い、100人以上が家賃滞納で退去を迫られているという。調査したNGO「難民支援協会」(東京都新宿区)は「難民への理解が低い日本で、一度家が無くなると再び借りることは難しい」と話している。

 国が支給する保護費は12歳以上の場合、1日1500円の生活費と月4万円(単身者)の住居費などが支払われる。2月時点で受給者は256人で、外務省は半分に絞り込む方針を打ち出している。

 難民支援協会には「支給要件が厳しくなって保護費を打ち切られた」「従来通りなら支給の資格があった」などと難民申請者127人が相談に訪れた。このうち、打ち切られたのは90人。127人の生活実態を調査したところ、大半が家賃を払えなくなったことを理由に立ち退きを迫られていた。家を失った13人には、協会が協力者や安価な宿を探して宿泊場所を確保した。協会は同時に、独自の取り組みとして最大月3万円の生活費を援助しているが、原資を寄付に頼っているため援助自体が限界に達している。

 また「重篤な病気」が支給要件となったものの、病気を証明する診断書を得るために病院へ通う交通費すらなく、あきらめる難民も多数いるという。協会は「精神的に追いつめられている難民も多い。早急な要件見直しを国に求めたい」と訴えている。難民支援協会(03・5379・6001)では、他のNGOと共に寄付を呼び掛けている。【村上正】

毎日新聞 2009年6月3日 東京夕刊

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