約1億円に上る不正経理問題で職員613人という異例の大量処分を19日発表した熊本市。自らも過去最高となる30%減給(6カ月)の処分を下した幸山政史市長は「市民の信頼を失っていることを重く受け止め自らの責任として減額した。物品購入や予算執行の仕組みを見直し、全職員の意識改革に取り組んでいかなければならない」と話した。【和田大典】
処分の内訳は、4月の再調査で新たに約500万円の差し替えが見つかった当時の下水道部長など4人が懲戒処分の戒告。市は懲戒処分の指針で、公金の不適正処理の処分を「減給又は戒告」としているが、609人は自主申告や調査に積極的に協力したとして口頭や文書での訓告にとどめた。
幸山市長は、条例上の給料月額114万3000円の30%・34万2900円を6カ月間、総額205万7400円減給する。副市長や教育長ら7人は10%減給(6カ月)。29日に開く臨時議会に提案する。
また、入札など正規の手続きで購入した場合との差額2245万円の返還は、局長級10万円▽部長級7万円▽課長級5万円--など職階ごとに決め、08年12月末時点の職員約2800人で負担する。県の不正経理で求めた退職者への返還協力は「現在いる職員で弁済する」として求めない。
毎日新聞 2009年5月20日 地方版