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無農薬野菜の落とし穴…花粉症患者アレルギー誘発!

虫食いは安全という意識があるが…

 安全性が“ウリ”の無農薬野菜。しかし思わぬ落とし穴があった。無農薬栽培で虫などの攻撃を受けた農産物を食べると、アレルギー症状を引き起こす危険性があることが、最近の研究でわかってきたのだ。特に「花粉症」の人は要注意。虫食い野菜を食べて、呼吸困難を起こす可能性もあるという。

 多少値が張っても、形が不揃いでも、あるいは少しくらいの虫食いがあったとしても、無農薬農産物を求める消費者には、「虫が付くのは安全な証拠」という意識がある。

 ところが、である。虫に食われた野菜や果物を食べると、アレルギー症状を誘発する危険性があるという研究結果が出たのだ。

 ▼りんご、枝豆で…

 近畿大学農学部の森山達哉准教授によると、無農薬栽培で虫や病気の被害を受けた農作物を、アレルギー体質の人や幼児、花粉症患者などが食べると、アレルギー反応を起こす危険性があるという。

 「これまでりんごと枝豆で調べてみたところ、同様の結果が出ました」と語る森山准教授。そのアレルギー反応のメカニズムを聞いた。

 「自然界の植物には、外敵から自分の身を守る仕組みがある。動物と違って手足のない植物は、直接外敵と闘うことができないので、虫などの攻撃を受けると感染特異的タンパク質という生体防御物質をたくさん作って追い払おうとする。ところがこの物質は、アレルゲンとしてもはたらき、それを食べる人間にもダメージを及ぼす。特に花粉症の人にアレルギー反応を示す危険性が高い」

 ▼顔面の腫れ、呼吸困難も

 症状は口やのどの痒みが中心だが、重症時にはのどが締め付けられるような症状や顔の腫れ、最悪の場合は呼吸困難に陥る危険性も捨てきれないという。

 「生体防御物質は外敵の攻撃を受けていない時も一定量は出ているが、通常は害になるレベルではない。しかし、農作物がストレスを感じるとその濃度は高まり、食べた人のアレルギー反応を誘発します」

 ▼注意すべきはシラカバ、ハンノキの花粉症

 虫の攻撃以外に、植物の病気でも濃度は高まる。

 「当然、適正量の農薬を使って病害虫の被害を防いだ農作物に比べて無農薬野菜のほうがリスクが高いので注意が必要。こうした現象は、りんごや枝豆だけでなく、多くの果物や野菜で起こるものと考えられます」

 森山准教授らの調べでは、りんごなどの果物の感染特異的タンパク質に反応を起こしやすいのは、シラカバやハンノキの花粉にアレルギーを持つ人。これらの花粉はスギ花粉とほぼ同じ時期に飛ぶため、当人がスギ花粉症だと思っていてもじつはハンノキの花粉症だったり、スギ花粉症と重複している人も少なくないという。

 市民農園などで無農薬栽培に挑戦するお父さんも多い。自分が育てる農作物に愛情が湧くのはわかるが、農作物にとってのストレスを考えるなら、あまり神経質にならないほうが…。

ZAKZAK 2009/06/03

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