京都市内の居酒屋で今年2月、酒に酔った女性に集団で性的暴行を加えたとして、学生6人が集団準強姦(ごうかん)容疑で逮捕された京都教育大は、被害者の母親の相談を受けた後も京都府警へ通報せずに調査を進め、関係者を内々に処分していた。親告罪ではない上、口裏合わせなどの恐れもあっただけに、捜査関係者は「なぜ、すぐに通報しなかったのか」と憤っている。
女子学生の母親から3月3日に相談を受けた大学は6人を無期限の停学処分とし、見ていたのに止めなかったとして数人を訓告にした。うち1人は卒業している。府警が母親からの通報で事件を知ったのは同27日だった。
寺田光世学長は1日、京都市伏見区の大学で謝罪会見した。6人を処分しながら非公表にした理由を「学生に対する教育的配慮」とし、「捜査を混乱させるから」とも述べた。
大学によると、コンパ終了後、女子学生に4人が性的行為をし、残り2人もわいせつ行為に及んだという。
だが、学内調査結果の詳細については「教育的配慮」を連発して説明を拒否。調査結果を府警に伝えていない理由についても「被害者の立場を考慮した」などと強調し、「教育的配慮」を約20回も繰り返した。【朝日弘行、古屋敷尚子】
毎日新聞 2009年6月1日 22時08分(最終更新 6月1日 22時13分)