2009年6月1日2時0分
5月31日、デモに参加した市民。「平反六四(6月4日の天安門事件への評価を見直せ)」のスローガンを掲げた=香港、小林写す
【香港=小林哲】89年の天安門事件に抗議する民主派市民団体主催のデモが31日、香港であった。20周年の今年は、例年より多い約8千人(主催者発表)が参加。中心街を練り歩いた。
当時の学生リーダーの一人で、米陸軍牧師になった熊エン(エンは品の口がそれぞれ火)さん(44)が初めて香港入りを認められた。熊さんは「当時の自由を求める精神は今もみなさんの中に生きている」と訴えた。ただ、別の活動家が香港入りを拒否されるなど、締め付けも続いている。
香港では、5月の議会で曽蔭権行政長官が「(事件は)もう何年も前のことだ。中国の発展は香港に繁栄をもたらした」と発言。民主派議員が「経済が発展すれば市民が殺されても構わないのか」と一斉に反発し、曽長官が謝罪する事態に発展した。
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東京でも31日、日本国内で中国への民主化要求を続けている元留学生らが「事件を風化させるな」と訴えた。約40人が車10台に分乗し、池袋から中国大使館のある六本木まで行進した。