開いた口がふさがらなかった。「そんな医師はいません」「分かる者がいません」「話せる立場にありません」--。
福岡記念病院に務めていた医師が準強制わいせつ容疑で逮捕された当日、病院に取材を申し込んだ。だが、3時間以上に及ぶ交渉は堂々巡り。院長は「コメントできない」と拒否し続け、行き着いた答えは「文書での質問には応じる」だった。
女性は病院に被害を訴えたが取り合ってもらえなかったという。署幹部も「病院は捜査に非協力的だった」と振り返る。
事件は病院のせいで起きたわけではない。責めるつもりもない。だからこそ、きちんとした説明が聞きたかった。不誠実な対応に対する女性の怒りはいかほどだっただろうか。想像するに余り有る。
〔福岡都市圏版〕
毎日新聞 2009年6月1日 地方版