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天然?純粋?ややこしいハチミツ表示 規格統一求める声(1/2ページ)

2009年5月31日12時4分

写真:「純粋」と表示されたハチミツに異性化液糖などが含まれていないか検査する職員=農林水産消費安全技術センター提供「純粋」と表示されたハチミツに異性化液糖などが含まれていないか検査する職員=農林水産消費安全技術センター提供

 ミネラルやビタミンなど数多くの栄養成分を含み、健康食品として人気のハチミツ。しかし、成分や製法を示す「天然」「純粋」「精製」「加糖」などの表示がややこしい。JAS法や業界内で統一したルールがないためで、消費者団体からは規格の統一を求める声も出ている。

 ハチミツの加工・流通業者を中心に約90社が加盟する「全国はちみつ公正取引協議会」は会員に対し、ハチミツ100%を「純粋」「pure(ピュア)」と表示させている。ハチミツからにおいや色を取り除いたものは「精製」、ハチミツと割安な「異性化液糖」という人工甘味料を混ぜた加工品のうち、ハチミツ60%以上は「加糖」、60%未満は「シロップ」と表示している。

 しかし、すべての業者が協議会に加盟しているわけではない。独自に「天然」「完熟」と表示している業者もおり、いずれも巣の中で熟成した国産ハチミツであることを意味しているという。

 農林水産省は今月20日、ボーソーハチミツ(東京)が「はちみつ60%」と表示していた商品に、ハチミツが約25%しか含まれていなかったり、「純粋」と表示していながら異性化液糖を混ぜたりしていたとして、JAS法に基づき改善命令を出した。

 しかし、JAS法はハチミツの表示について詳しく定めてはいない。今回の処分は、表示された原材料と、中身が異なっていたことに対する措置に過ぎない。

 日本主婦連合会の和田正江副会長は「消費者にわかりやすい表示のあり方を考えるべきだ」と指摘する。

 もちろん、表示と中身が違っては話にならない。しかし、ハチミツと異性化液糖の主成分はともに果糖とブドウ糖のため、ハチミツに異性化液糖が混ぜられていないかなどを特定するのが難しい。

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