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裁判員制度 司法改革、経済界要請きっかけ

5月22日7時56分配信 産経新聞

 刑事裁判に国民が参加し、被告の有罪・無罪、量刑まで決める裁判員制度。この制度はどのようにして導入が決まったのか。

 裁判員制度などを決めた司法制度改革は、当初は経済界の要請によるものだった。規制緩和や国際競争の激化を背景に、経済団体が平成6年ごろから法曹人口の増加や民事訴訟の迅速化など、利用しやすい司法制度を要求。一方、日本弁護士連合会も、2年ごろから「陪審や参審制度の導入検討」を提案していた。

 そして11年、自民党の司法制度特別調査会が求めた「司法制度改革審議会」が設置され、各界有識者13人の委員で改革が動き出した。

 2年間にわたった審議会で、法曹人口増員、民事訴訟の審理期間半減、知的財産訴訟への対応強化などが決まったが、刑事裁判への司法参加についても本格的に議論され、有・無罪だけを決める米国流の陪審制、任期制で量刑も決めるドイツ、フランスなどの参審制も検討。結局、事件ごとに国民が参加する日本独自の形態となった。

 同審議会の意見書を受けて司法制度改革推進本部で法案作りが行われ、16年5月に裁判員法が成立・公布された。

 同制度では毎年11月ごろ地裁・支部ごとに有権者名簿から無作為抽出で翌年の裁判員候補者が選ばれ、その後、事件ごとにくじなどで6人(補充裁判員2人)が選ばれる。

 裁判員は3人の裁判官と並んで法壇に座り、法廷での審理に参加。被告人や証人に質問もできる。閉廷後は別室で評議し、有罪か無罪か、有罪なら量刑はどうするかなどを話し合う。法律知識は必要なく、日常的な判断が求められている。判決言い渡しにも裁判員は参加する。

 裁判員裁判では、事前に検察、弁護側が争点を絞り込む公判前整理手続きを行ううえ、原則連日開廷で審理が迅速化する。

 7割の裁判は3日以内に終わる見込みだという。

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最終更新:5月22日8時5分

産経新聞

 

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