神奈川県警青葉署は2日未明、交際相手の男性(51)をナイフで刺したとして殺人未遂と銃刀法違反容疑で、川崎市の岡本太郎美術館学芸員で市職員、杉田真珠(しんじゅ)容疑者(43)=同市麻生区=を逮捕した。男性は命に別条はないが重傷という。
調べによると、杉田容疑者は1日午後3時50分ごろ、横浜市青葉区のコンビニの駐車場に止めた、写真史家で川崎市市民ミュージアムの学芸員、深川雅文さん=同区=の乗用車内で、深川さんの左胸を刃渡り12.3センチの果物ナイフで1回、刺した疑い。事実関係を認めているが「いつ、なぜ刺したのかわからない」と供述している。
杉田容疑者と、妻と娘2人がいる深川さんは6−7年前から不倫関係だった。1日は深川さんの誕生日で、会おうとしない深川さんを杉田容疑者が携帯電話のメールで何度も呼び出し合流した。
車内で「離婚の話はどうなったの?」などと叫び、車を運転中の深川さんの腕や顔を手やバッグで乱打。「落ち着いて話そう」と深川さんが駐車場に車を止めたが、叩き続け、バッグに入れていたナイフで刺した。両手を血で染めた杉田容疑者がコンビニに駆け込み、店員が119番した。
捜査関係者に、深川さんと「いつかは一緒になりたい」と話したという杉田容疑者。結婚の望みを叶えられず、芸術ならぬ痴情を爆発させてしまった。