脳腫瘍(しゅよう)の摘出手術で正常な脳組織を損傷され植物状態になったとして、高崎市の女性患者(24)の両親が埼玉医科大=埼玉県毛呂山町=を相手取り、慰謝料など計約2億4800万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が28日、前橋地裁高崎支部(村田鋭治裁判長)であった。同大は請求棄却を求める答弁書を提出し、全面的に争う姿勢を見せた。
訴状によると、女性は05年1月、同大病院で脳腫瘍の「中枢性神経細胞腫」と診断された。女性が摘出手術を受けた際、正常な脳組織を損傷し意識障害や脳機能不全が生じ、植物状態になったとしている。
原告側は「執刀医は脳手術の際に出血を抑え、しっかりと術野を確保する義務を怠り、正常な脳組織を傷つけた」と主張。一方、同大は次回期日で認否についての準備書面を提出するとした。【鳥井真平】
毎日新聞 2009年5月29日 地方版