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改正銃刀法:所持規制厳格化 農業被害防止、影響懸念 /奈良

 ◇07年度は1億円近く 県、イノシシやシカの狩猟奨励

 07年に起きた長崎県佐世保市の散弾銃乱射事件を受け、改正銃刀法が6月1日から一部施行され、猟銃など(ライフル銃、散弾銃、空気銃)の所持規制が厳しくなる。猟銃などを使った事件の増加に対応し、所持の不許可対象者が拡大される。一方、県内では、イノシシやシカによる農業被害が増加。県は狩猟を奨励しているが、こうした狩猟目的での所持に影響が及ぶ可能性も出ている。【大森治幸】

 改正法は、所持を許可しない欠格事由に新たに、ストーカー行為をした者▽DV(配偶者間暴力)の加害者▽自殺のおそれのある者--などを加えた。また、公安委員会が必要と認めた場合、精神科医による診断を命じたり、75歳以上の高齢者には認知機能検査も導入した。

 県警許認可審査室によると、県内の猟銃所持許可者数は約1200人、約2400丁(4月末現在)。4、5月に一斉検査を実施すると同時に、法改正を知らせるチラシを全員に配布した。大西正哲・同室長補佐は改正により「所持者への負担は増えるだろうが、規範意識の向上につながるだろう」と期待している。

 一方、県森林整備課によると、07年度のイノシシやシカによる農業被害金額は約9956万円で、記録が残る82年度以降最悪になった。人が山に入らなくなり、人里まで降りて来るようになったことなどが原因とみられる。

 猟銃、かご、わなを使う狩猟免許取得者で、県内で狩猟の登録をしているのは1268人(08年度)。県は新規の免許取得者を毎年100人以上確保することを目指すとともに、昨年度からは狩猟期間(11月~翌年2月)の1カ月間延長に踏み切った。

 同課は「違反する人は一部なので、改正法が施行されても実質的な影響はないのでは」とみているものの、「制度が厳しくなり過ぎるのは困る」と、狩猟者減少への懸念もぬぐえないのが実情だ。

毎日新聞 2009年5月29日 地方版

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