23日の広島戦で入場するサポーター=九州石油ドーム
2万人が目安
「ご来場ありがとうございました」。20日のナビスコ杯浦和戦、九州石油ドームの入り口にMF宮沢正史(31)が筆を執ったメッセージが掲示された。「観客におもてなしの心を示し、試合以外の部分で少しでも満足してもらえたら」。毎試合後、クラブのスタッフが行う反省会から生まれたアイデアだった。
大分は昨季夏、不敗記録を続けた。8月下旬のリーグ京都戦以降、ホームでの観客は2万人を超え、リーグ全体では5位の34万人余りを動員した。単純比較はできないが、今季は7試合消化時点で計約1000人減っている。
「例年、シーズン当初は出足が鈍いが、昨季の成績からすれば伸び悩みは否めない」と古沢進二広報部長。
親会社を持たず、経営基盤の弱い大分にとって、スポンサー収入とチケット収入が二本柱。今季は合わせて約8億5千万円を見込む。景気低迷の影響でスポンサー収入の大幅な伸びが見込めない中では、「1試合平均2万人」が予算規模を維持する目安になりそう。
シーズンパスの販売は約7400席。昨季より約1300席増えたが、目標の1万席には届かなかった。それだけに、発売したばかりのハーフシーズンパス(ナビスコ杯を含めた後半のホーム10試合分)での挽回(ばんかい)が欠かせない。
総合力で勝負
横浜FC、甲府、札幌…。近年、J2に降格したクラブはいずれも資金力に乏しかった。成績不振が観客減を招き、十分な強化費を捻出(ねんしゅつ)できないという悪循環に陥った。「地方からの挑戦」でタイトルを手にした大分も、このままでは同じ轍(てつ)を踏みかねない。
「うちはサポーターも含めた総合力で戦わねば(ビッグクラブに)太刀打ちできない」。古沢部長は「地域密着事業はもちろん、観客参加型のイベントなども充実させ、今まで以上に多くの県民に観戦・応援してもらえるよう努力を続けたい」と話している。
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