伊南行政組合は、運営する昭和伊南総合病院(駒ケ根市)に医師として勤務することを前提に、医学を学ぶ大学4年生以上や大学院生、研修医らに修学資金などを貸与する制度を創設する。28日の同組合議会定例会で条例案を可決した。昭和伊南の医師確保を図る目的で、6月1日から開始する。
今後も続くと予想される医師不足に対応するため、従来の医師研究資金貸与条例で定めていた研究資金に修学資金、研修資金を加え、対象を学生や研修医にも広げた。医師研究資金貸与条例は廃止する。
修学資金は、医師に従事する意識が固まる4年生以上の大学生が対象で、大学卒業まで3年間を限度に月20万円を貸し付ける。研修資金は、大学院生、臨床研修医、後期研修医を対象に、卒業、研修修了まで5年間を限度に月30万円を貸与する。研究資金は現行通りで、貸与額は3年間500万円または2年間300万円。
各資金とも、昭和伊南にそれぞれの一定期間を勤務すれば返還を免除する。
同組合では、ポスターを作製し、信州大学や伊南4市町村の庁舎、公民館などに掲示して利用者を募集していく考え。昭和伊南によると、同様の制度は県内では県、上田市、東御市にある。
同定例会ではこのほか、保健福祉委員会で、昭和伊南の経営再建について小木曽博人経営企画室長が「経費削減にかなりの成果が出ている。職員が頑張った成果」とし、2008年度は対前年比で材料費は2億円近く、経費は約9000万円減少していると答えた。