広島、長崎の被爆者30人と遺族が、国が原爆症と認めなかったのは違法などと訴えている裁判の控訴審で、東京高裁は、国の新しい基準で原爆症と認められていなかった9人を新たに原爆症と認めました。
この裁判は、広島や長崎で被爆した被爆者とその遺族が、国に原爆症の認定と損害賠償を求めているもので、原告は全国で300人を超えています。
28日の判決で東京高裁は、「原爆症認定の判断基準には問題がある」などとして、国が原爆症と認めなかった10人のうち9人を、新たに原爆症と認定しました。
これで、東京での訴訟の原告30人のうち、国や裁判所から原爆症と認められたのは29人となりました。1審判決よりも原爆症認定の枠組みを広げた判断となりましたが、損害賠償は1審と同じく認めませんでした。
原爆症の認定をめぐる訴訟は、これまで全国の18の地裁や高裁で判決が出ましたが、全てで原告側が勝訴した事になります。(28日13:59)