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なるほドリ:県が公立病院の再編構想を発表したんだって? /茨城

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 ◆県が公立病院の再編構想を発表したんだって?

 ◇医師不足、慢性赤字の悪循環…医療資源集約で経営改善狙う

 記者 赤字経営に直面する公立病院について県の再編案が3月にまとまりました。県西地域では筑西市民病院と県西総合病院(桜川市)、県北地域では北茨城市立総合病院と民間の県北医療センター高萩協同病院(高萩市)の組み合わせで再編・統合を検討する必要があると提示しました。他の地域でも、自治体が直接運営する現在の経営形態を見直すよう求めています。

 Q 計画は何のためなの?

 A 医師不足で診療体制の縮小を余儀なくされるなど、公立病院を取り巻く経営環境が厳しいことが原因です。多くの公立病院は慢性的な赤字体質で、運営する県や市町村の一般財源からの繰入金で何とか経営が成り立ってきました。財政状況が悪化する中、自治体の決算が病院を含む公営企業の不良債務を一般会計の赤字と連結させて評価する制度に変わったことも影響しています。

 Q でも医師不足がどうして病院の経営に影響するの?

 A 経営改善には患者が増えることが必要ですが、同時に勤務医の負担増にもつながります。過労で勤務医が病院から去ると、経営はさらに悪化するという悪循環を招く構図になっています。茨城県は人口あたりの医師数が全国の都道府県で2番目に少なく、全国平均の4分の3。医療資源を集約することは、医師不足に対する「処方せん」の意味も強いのです。

 Q 再編対象の病院はなくなってしまうの?

 A 県の構想に強制力はないので、病院を開設する各市町村が判断することになります。ただ、自治体間の話し合いは難航が予想され、調整役としての県の力量が問われます。廃止も選択肢の一つですが、複数の病院の医療機能を一カ所に集約した基幹病院をつくり、残りの病院は機能を縮小して残す方法も考えられます。地域医療は患者がともにつくるものですから、住民を交えた十分な議論が必要です。(回答・八田浩輔)

毎日新聞 2009年5月28日 地方版

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