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新型インフル「感染性さほど強くない」 国立感染研調査

2009年5月27日19時40分

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 国立感染症研究所は26日、大阪府で初めて新型の豚インフルエンザ感染が確認された関西大倉中学・高校(茨木市)で実施した疫学調査を中間報告した。ゴールデンウイーク明けの11日以降、同じクラスで感染が広がり、通学バスで学年の壁を超えて拡大していったことが、調査でみえてきた。

 患者の生徒や家族、学校関係者から症状や接触状況などを聞き取った。

 11日に、高校2年のクラスで3人が季節性のA型インフルエンザの疑いで欠席、12日に同じクラスの8人が熱を出して早退。13日に高校2年全体で欠席者が36人に達し、学年閉鎖になった。

 16日には高校2年の女子生徒が新型インフルと判明、学校閉鎖となった。こうした経緯から感染は高校2年から始まった可能性が高いという。

 感染の広がり具合や教室の席の位置などから、親しい生徒同士で感染が始まったことも分かった。

 高校2年から別の学年へ広がった原因は、約1900人の生徒のうち1500人が使う通学バス(3系統)が考えられた。常に満席で、会話が盛んだった状況などから、バスで学年をまたいだ感染を起こしたらしい。同校は弁当が多く、人が集まる食堂はあまり利用されていなかった。

 国立感染研の安井良則・主任研究官は「比較的、長時間、近くで接触するうち、(つばやせきなどによる)飛沫(ひまつ)を吸い込んで感染していったようだ。空気感染があったとは思えない」と指摘。

 さらに、同校の通学区域が広範囲にもかかわらず、感染は友人や家族などに限られていることから、「それほど高い感染性はないだろう」との見方を示している。

 ゴールデンウイーク中に海外に行った人も調査したが、いずれも発症はなく、感染の始まりは依然不明だという。

 安井さんは、学校関係者や生徒、保護者らが誹謗(ひぼう)中傷などを受けている状況を指摘。「誰が悪いというわけではない」と冷静な対応を呼びかけた。(錦光山雅子、本多昭彦)

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