2009年5月28日0時12分
核実験が起きた25日朝、地震のような揺れを感じてあわてて避難した朝鮮族中学校の生徒たち=中国延辺朝鮮族自治州で27日、西村写す
中国・延吉市内の産婦人科病院では、妊婦や幼児を持つ母親の多くが核実験による放射能汚染を懸念していた=27日、西村写す
【延吉(中国吉林省)=西村大輔】北朝鮮の核実験場から百数十キロしか離れていない中国吉林省延辺朝鮮族自治州の学校では、核実験が行われた25日朝、地震のような揺れを感じた生徒らが校庭に避難する騒ぎが起きていた。幼児を持つ母親や妊婦は、放射能の汚染を心配している。
州都・延吉の朝鮮族中学校では核実験が行われた午前8時54分(現地時間)ごろ、多くの生徒が約3分間にわたり「ゴー」という異様な音を聞いたと口をそろえる。2度目の震動で警報が鳴ると校内は騒然となり、2千人近い生徒が校庭に逃げた。「四川大地震で多くの学校が倒壊したので、校舎が崩れるかと恐ろしかった」と女子生徒(14)。
産婦人科病院では、臨月を迎えた30代の女性が「こんな近くで核実験したら子供に影響があるはず。国境地帯でとれる野菜も汚染されるかも。無責任だ」と憤った。
延吉の人口約50万のうち55%が朝鮮族。北朝鮮に親類がいる人も多い。核実験場のほど近くに兄が住む50代の男性は「北朝鮮に経済制裁が必要だと思うが、そうなると親類が困る」と漏らした。