(CNN) イスラム系反政府武装勢力と暫定政府軍の戦闘が5月に入って激化するアフリカ東部のソマリア情勢で、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は26日、今月8日以降、首都モガディシオを逃れた避難民は6万7000人以上に達したと報告した。
首都北西部のアフグーエ町へ難を逃れているもので、同町には既に40万人以上が押し寄せ、劣悪な条件での生活を強いられている。世界食糧計画(WFP)によると、食糧不足は深刻だという。子供の病気も多い。
武装勢力は、同国南部を支配する「シャバブ」と「ヘズブ・イスラム」などで、共闘してモガディシオなどを攻撃。住民多数が死傷している。シャバブは最近、首都の大統領府にまで進軍していた。米政府は、シャバブには国際テロ組織アルカイダが浸透しているとしてテロ組織に指定している。
この中で、ソマリアのアフメド暫定政府大統領は25日、内乱を沈静化するため国際社会に対し軍事介入を求めている。大統領はこの中で、武装勢力には外国人戦闘員が加担しているとし、戦闘を止めなければ、ソマリアは「新たなイラクやアフガニスタンに化す」とも主張した。
同国では1990年代初期から、政府と反政府武装勢力の衝突や軍閥間の抗争が長引き、ほぼ無政府状態にある。また、同国沿岸部では武装勢力の関与も指摘される海賊事件が多発している。