県立中央病院(高松市)の受精卵取り違え疑惑。26日に高松地裁(和食俊朗裁判長)であった第2回口頭弁論では、慰謝料額の根拠となる精神的苦痛のとらえ方について双方が主張した。
原告側は「精神的苦痛の中核部分は自らの子を失ったこと。胎児を失う苦痛は出生後の子供を失うことと同じ」と主張。被告の県側は「医学的に見れば、原告らの子であった現実的可能性はないので前提が誤り」と反論した。
地裁が今後、和解案を提示し、決裂すれば弁論が継続する。原告側は「取り違えの可能性に気付いた医師が、羊水検査と人工妊娠中絶以外の第3の選択肢、絨毛(じゅうもう)検査で親子関係を確かめられる可能性について説明しなかった点を展開によって主張していきたい」としている。【松倉佑輔】
毎日新聞 2009年5月27日 地方版